世の中には相反する訓えが多い。
たとえば「あとは野となれ山となれ」ということわざもあれば、「立つ鳥、あとを濁さず」ということわざもある。
これはどちらかが間違っているということではなくて、ある局面においてはどちらも正しいのである。自分の置かれたシチュエーション(局面)によって、どちらを採用するかという「適用の知恵」の問題なのである。ところが、知恵がない人は、そのシチュエーションへの適用をまちがえる。
特に経営の世界ではそうである。
知恵のある経営というのは同じ案件であっても、ある人にはイエスと言い、別の人にはノーと言わなければならない。ところが、生半可に知識が増えてしまうと、一律に、イエスを適用したり、一律にノーを適用したりすることになる。
多くのことを知っていても、「状況に合わせてどちらを活用するか」という、そういう消化力がない。つまり、前項で述べた情報が知恵になっていないから、的確に動けないのである。
多くの知識を得るのも良いが、じっくりと自分で、実体験で頭を打って、(これはこういうことだったんだ)というふうにして、着実に知恵を自分の体内に積み重ねていった人間の方が強いのは言うまでもない。
2代目や3代目の経営者は、本当に勉強熱心な方が多いが、知識が増えてその知識に押しつぶされようとしている方を見うけることがある。
「経営のルール」を学ぶことも大切だが、もっと大切なことは「活用の技術」である。場数をふんで、それを覚えよう。
知識は冷凍されたネタである。ネタを活用して「おいしい料理」を創ることが「知恵」である。
(『経営のルール』より)

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著 者 |
石野 誠一 |
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定 価 |
1‚365円(税込) |
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初版発行 |
B6並製 |
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ISBN |
ISBN978-4-7569-1135-3 |
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ページ |
240 |
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版 型 |
B6並製 |
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