まだ私の営業経験が浅かった頃の失敗談についてお話しします。
ある会社へはじめて訪問する際に、あらかじめある程度ヒアリング項目をイメー
ジしておくことにしたのです。あれ・これ・それ、みんな聞こうと思い、事前に
一生懸命ヒアリング項目をリストアップして準備しました。しかし、思いのほか
聞きたい項目が増えすぎてしまって、お客さんのところへ伺ったときには、すで
に頭の中が質問項目でいっぱいになってしまっていました。そして、お客さんの
ところに着くなり世間話もそこそこに、早速矢継ぎ早に質問をぶつけました。
「御社の営業マンの数は何人ですか?」「○○人です」
「営業マンの方々は、これまで研修を受けたことは?」「これといって、特にあ
りません」
「中途採用の方は、どれくらいですか?」「○○人のうち、半分が中途採用です」
こうした形で淡々と質問を続けていくうちに、お客さんの顔が不機嫌そうになっ
ていました。
ハッと気づいたときには、時すでに遅し。完全に気分を害してしまいました。
自分が警察に職務質問されたときをイメージするとわかるのですが、このように
矢継早に質問をしていくと、まるで尋問しているかのようになります。お客さん
の答えに対して、こちらの反応が希薄すぎました。
会話はキャッチボールのようなもの。こちらから投げたボールを相手がキャッチ
して投げ返す。それを受け取りまた投げるという作業の繰り返しです。このとき
は、相手が投げ返してきたボールを受け取ることなく、新しいボールをまた相手
に投げていたのです。
会話において相手のボールを受け取るとは、お客さんの言ったことに対して、あ
いづちを打つことであったり、コメントや意見を差し挟んだりして反応すること
であったり、お客さんの答えに深く関連した質問を返すことであったりします。
相手が質問に答えてくれることを当たり前と思うから、それに対する反応が乏し
くなり、質問が尋問化してしまうのです。ひとつひとつの回答をしっかりと受け
とめ、それを言葉・態度に表しましょう。そうすれば、きっとスムーズで深いヒ
アリングができるはずです。