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 営業マンは現代の間諜である(10/06号 古典に学ぶ経営特集)
今月のお役立ち情報
営業マンは現代の間諜である

孫子曰く 明主・賢将のみ、能(よ)く上智を以て間者と為して、必ず大功を成す。

営業(諜報活動)の重要性を認識した優秀な経営者のみが、優れた営業担当者を使いこなすことができるのであり、その担当者が集めてくる情報の価値を活かすことができる。

この用間篇を読めば、孫子の時代の間諜(スパイ)が現代企業の営業マンに相当することはすでにお気づきだろう。営業力強化のポイントは、営業マンの売り込む力、押し込む力にあるのではなく、マーケット、すなわち顧客や競合の動きを把握する情報力、諜報力にある。
逆に言えば、どんなに戦闘力、兵力、営業力があろうとも、敵の情報、戦場の情報、顧客の情報、競合の情報がなければ、戦いに勝利することはできない。自軍の兵力は小さくても、相手の動きを把握していれば戦いようがある、ということだ。2500年前も21世紀の今も、戦う時には情報が必要であり、その情報を取ってくる人間はとても大切である。
孫子は、聡明で優秀な君主や将軍だけが、智恵のある優秀な人物を間諜として用いることができ、それによって大きな成果を残すのだと説いた。敵の情報をつかむことが戦争を思うように運ぶ要諦であり、その情報が正しく的確だからこそ、それを頼りに全軍を動かすことができるからだ、というのだ。
それはそうだろう。間諜からの情報が間違っていたり、不充分であったなら、それを元に立てた作戦は失敗することになるし、それを信じて動かした兵隊は思わぬ罠に陥るかもしれないのだから。
作れば売れ、売れれば儲かる、という時代は終わった。売れるものを作らなければならないし、儲かるように売らなければならない。そのためには顧客のニーズを汲み取り、斟酌(しんしゃく)して、先回りする諜報力が必要だ。競合の動きを察知し、その意図を読み、有利にビジネスを進める智恵が求められる。そうした活動をする部門が営業部門であり、営業マンは現代の間諜である。

だが、会社によってはこの営業部門を重視していない、さらには軽視していることがある。技術系、開発系の下請け体質の会社に多い。また経営者が技術者、開発者だとそういう傾向が強い。「安くていいものを作れば売れる」という発想の会社だ。これでは、たまたま当たれば売れるが、継続して売れるものを出し続けられない。そして多くの場合、売れるものが出ない。だから営業力、販売力のある企業の下請け的な位置付けに甘んじて、利幅のとれないビジネスしかできなくなる。営業力 = 諜報力のない会社は、儲けることができないのだ。

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著 者
定 価
1,575円(税込)
初版発行
B6並製
ISBN
ISBN978-4-7569-1390-6
ページ
224
版 型
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