◇ 孫子曰く 兵は勝つことを貴(たっと)び、久しきを貴ばず。故に兵を知る将は、民の司命(しめい)、国家安危の主なり。
競合との戦いはなるべく短く終えることを考える。デフレスパイラルの中で消耗戦を長期間行っているようでは経営を維持することはできない。
バブル崩壊後ほぼ20年に渡り、日本国内ではデフレ傾向が続いている。単価が下がっているから、売れても儲からない。そもそも景気も良くないから、なかなか売れない。売れないから、さらに値下げしてなんとか売ろうとする。ユニクロがヒットしている、高いブランド品は売れない、とマスコミが騒げば、「自社も値下げしなければ売れないのか」、「単価を下げないと売れない時代なのか」、と不安になり、ついつい値下げ、値引きを許容したくなる。
だが、小さな会社が、大きな会社を相手に値下げ合戦の消耗戦を行うような場合、短期で決着がつくならいいが、長期戦になれば小さな会社が不利に決まっているから、戦い方はよく考えなければならない。小さなことを利用してローコスト経営で価格競争するのは悪くないが、ローコスト化の仕組みもないのに精神論で戦っていては経営破綻へまっしぐらとなる。ユニクロが安くてもそこそこ品質がいいのには相応の仕組みがあり、企業体制があり、数を大量にこなす地力があってこそだ。単に安いから売れているわけではない。安くすれば売れるようなものではない。
そもそも高いか安いかは、相対的なものであって、もともと高いものや有名なものが安くなればお買い得感もあるが、小さな会社の聞いたこともないような商品が少々安くなっても、それに価値を感じる人は少ない。
小さな会社がまず考えなければならないことは、商品価値、企業価値を高めることだ。商品価値が高まって、自信作ができたら、それを認知してもらうために短期間値引きキャンペーンをやることもあるだろう。それは目的を絞り期間を限定した戦いだ。
孫子は、勝つこと、すなわち目的を達成することに集中し、ズルズルと戦いを長期化させてはならないと説いた。そうしたものの道理を理解している経営者こそが、企業の命運を握る守護者であり、社員をリードし、企業を存続させる統率者であることを許される。
人口減少によるマーケット縮小で、じわじわとデフレが続く厳しい環境の中で、小手先の値引き商法が通用することなどあり得ない。

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著 者 |
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定 価 |
1,575円(税込) |
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初版発行 |
B6並製 |
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ISBN |
ISBN978-4-7569-1390-6 |
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ページ |
224 |
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版 型 |
B6並製 |
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