話し手の真意を知る方法の1つとして、「感情や葛藤を表す言葉」に注目するというテクニックがあります。
飲み会の席で、課長が部下たちにこんな愚痴をこぼしています。
「今年入社した君たちのために、私なりに仕事を教えてきたつもりだ。
だが、君たちの中にはきちんと覚えてくれなかった人もいる。
やる気がないのかと腹が立ったが、自分の教え方も悪いのかと考えた。
部長とも話したんだが、やっぱり研修の担当をオレは降りたほうがいいんじゃないかと......」
この中で、感情や葛藤を表す言葉は「腹が立った」と「自分の教え方も悪い」「担当を降りたほうがいい」です。
課長の気持ちを汲み取るなら、
「課長、申し訳ありませんでした。課長は私たちに腹が立ったんですね。
それに自責の念も持たれてしまわれたんですね。葛藤する気持ちが伝わってきます」
と、伝え返せれば、充分な傾聴力になります。
◎あの人が期待していることは何?
感情というのは、「期待」との関係で生まれます(筑波大学人間総合科学研究科教授・宗像恒次氏の説)。
● 喜び :期待していることが手に入ったときの感情
● 不安 :期待していることが手に入らないのではないかと思ったときの感情
● 怒り :当然期待していたことが、手に入らなかったときの感情
● 悲しみ:期待していることを完全に失ってしまったときの感情
● 苦しみ:期待していることにチャレンジするものの、いつもうまくいかないときの感情
その他の感情は、この5つの感情の組み合わせで決まります。
この場合の課長は、「新入社員には当然覚えてほしかった仕事」という期待があったのに、裏切られた気分になり、怒りの感情が芽生えていますが、一方では自分の教え方が悪いのではと自責の念を持っています。その揺れ、葛藤が本当の気持ちです。

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著 者 |
武藤 清栄 |
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定 価 |
1,575円(税込) |
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初版発行 |
B6並製 |
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ISBN |
ISBN978-4-7569-1400-2 |
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ページ |
240 |
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版 型 |
B6並製 |
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