「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年03月07日
[218]くさいはうまいは本当だった、ふなずしコンテスト

 「くさいはうまい」の名言を吐き、自著にも『くさいはうまい』(文春文庫)という臭い本を書いたのは、発酵学の権威である小泉武夫氏です。
 先月、大津市で地元の名産「ふなずし」の品評会が開かれたそうです。ふなずしと言えば、お値段の高さもさることながら、その強烈な臭さでも有名です。

失神するほど臭い!「ふなずし」の品評会...滋賀県職員が"家庭の味"競う恒例イベントの狙いは
 全国広しといえど、こんな品評会を開いているお役所は滋賀県庁だけだろう。2月初めに開催された県職員有志による「ふなずし品評会」。職員らが家庭で漬けた発酵食品「ふなずし」を持ち寄り、できの優劣を競う。滋賀名物のふなずしは強烈な臭いが特徴で、手作りの約40品が集まった会場は独特の臭いが立ち込めたが、それもご愛きょう。ワインや日本酒を飲みながら臭いふなずしをつまむうちに、知らず知らず職員同士の交流も深まるのだ。(江森梓)
「家庭の味」で勝負
 2月2日夜、大津市内のビルの一室。テーブルの上には切り分けられたふなずしを載せた紙皿が所狭しと並び、職員らはそれを一切れずつ口に入れては考え込む。
産経WEST 2016年2月16日掲出

20160307.jpg

 ふなずしには先祖から受け継いだDNAも一緒に漬け込まれているようです。
ハレの日のごちそう究極のスローフード ふなずし
産経WEST 2016年1月3日掲出

 老舗の女将さんが語る「(ふなずしは)食べるとほっと落ち着く」味。それがその人にとってのソウルフードなのでしょう。

 幸か不幸か、筆者は臭いものに抵抗がありません。その生育環境に負うところが大きかったようです。というのも、母の意思で実家には羊と山羊がいました。羊はウールを採り、山羊は生乳を絞り、筆者兄妹はそのセーターと乳で育ちました。
 後年、撮影の仕事でフランスの田舎町にあるチーズ市場に行ったときは、ふるさとに帰った懐かしい気分になりました。市場の中は強烈な山羊のにおい、シェーブルチーズの臭気に満ちていたのです。
 おかげさまで少し疲れ気味だったはずが、チーズの臭いで体調もすっかり回復しました。

 日本では誰も手を出さないシェーブルチーズに元気をいただくとは、母の導きのたまものですね。(水)

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※チーズについてはこちらのコラムもご覧ください。
[011]カンタン手料理2-賞味期限切れのチーズをおいしく食べる方法

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