「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年06月21日
[409]ゾウの「はな子」、銅像が吉祥寺駅前に完成

 テレビで何度も取り上げられ、多くの人が知るところとなったアジアゾウの「はな子」。残念なことに「はな子」は2016年5月26日、東京・武蔵野市にある井の頭自然文化園で69歳の天寿を全うしました。

『さようなら、アジアゾウ「はな子」』
(東京ズーネット 2016年5月26日掲出)

 「はな子」のりりしい姿をそのままうつした銅像が、JR中央線・吉祥寺駅にお目見えしました。

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※りりしい「はな子」の姿をうつした銅像

ゾウ「はな子」の銅像完成 東京・武蔵野でお披露目【動画】
 戦後初めて来日したゾウとして人気を集め、昨年5月に69歳で死んだアジアゾウ「はな子」の銅像が完成し、5日、東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅北口の広場で除幕式が開かれた。
 銅像は全長、高さともに約2メートル。武蔵野市などでつくる実行委員会が募金への協力を呼び掛け、制作した。
産経ニュース 2017年5月5日掲出)

 ところで、体の大きなゾウをコンクリートの施設で、しかも一頭だけで飼育するなんて虐待ではないか、と声を上げる人もいました。

 しかし、それは「はな子」の健康状態を考慮しない発言でした。「はな子」は若いうちに4本しかない歯のうち3本を失っています。これではエサとなる植物を咀嚼できません。通常ならその時点で死ぬほかなかったのです。
 飼育員の方々が知恵を絞って考案した特製団子を与えるなどの手厚いケアのおかげで、「はな子」は69歳まで生きることができたのです。

 また、生まれ故郷のタイに帰そうという意見は、里帰りをして喜ぶ人間の姿をゾウに重ねていただけではないでしょうか。公園の近所に住んでいた筆者は、何度か「はな子」を見たことがあります。その姿に比べるとタイで出会うゾウ達のほうがよっぽど過酷な環境と言わざるを得ません。

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※「はな子」の銅像があるのはJR中央線・吉祥寺駅の北口広場

 百年前のタイには10万頭いたといわれるゾウも、現在ではすっかり居場所をなくしていることをご存知でしょうか。

 タイでは1989年に森林の伐採が全面禁止され、ゾウを使った仕事は観光以外になくなりました。それにつれて飼育ゾウの数も激減しており、国立公園などでわずかに生息する野生ゾウと合わせても、今では5千頭を切っているといわれています。

 バンコクでは一時期、エサをもらうために深夜の繁華街をゾウ使いとともにさまようゾウ達をよく見かけました。車に追突されないよう尻尾にテールランプをつけ、排気ガスの中をトボトボと歩く姿は、その日暮らしで生きるつらさがにじみ出ていました。

 「かわいそう」という思い込みでネットに意見を拡散する前に、タイ・ランパーン県のゾウの病院「タイ象保護センター」に足を運んで、本当にかわいそうなゾウたちの姿を知ってほしいです。

 そこには足や鼻を傷つけたり失ったりしたゾウ、覚せい剤漬けで働かされて精神を病んだゾウ、今では伝統芸となった材木運びを披露するゾウ、生まれたばかりの赤ちゃんゾウ・・・、良くも悪くも人間社会と関わらずには生きられないゾウたちの姿があります。

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※台座につけられた説明プレート

 ところで、銅像の「はな子」が右足を前に持ち上げたポーズ。あの意味をご存知でしょうか。

 一般的にゾウ使いはゾウの背中に取り付けた籠に乗ることはありません。籠は観光客用です。ゾウ使いはゾウの首にまたがって、ゾウに指示を出すのです。
 ゾウを立たせたまま乗る時はゾウに前足を差し出させて、それを足がかりにしてよじ登ります。
 ですから銅像のポーズはまさしくそのポーズではないか、と筆者は思います。

 「はな子」は幼い頃、タイで教えられた基本のポーズを生涯忘れることなく、来園者に語りかけていたのでしょうね。

 乗ってみなさいよ、と。(水)

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■関連リンク・文献
「タイ国立ゾウ保護センター」
thai elephant conservation center

「モタラの涙―地雷を踏んだ象さんの物語」(江樹 一朗・著/廣済堂出版)

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