「できる!」ビジネスマンの雑学
2019年04月03日
[667]トリリンガル(鳥リンガル)な社会とは

 テレビは常に音と映像が垂れ流されるため、時に煩わしい存在です。しかし、先日のEテレの番組では、ある研究者の思いがけない姿を見ることができ、非常に有意義でした。

 少し古い話になりますが、3月27日(2019年)にオンエアされた「又吉直樹のヘウレーカ!スペシャル」です。

又吉直樹のヘウレーカ! スペシャル「この"なぜ"はほっとけない!?」


 この日は過去に登場したさまざまな研究者のその後を追いかける構成でした。

 そのなかのひとりとして登場したのがシジュウカラの研究者、鈴木俊貴氏(東京大学教養学部 助教)です。

 シジュウカラはこのコラムでも何度か取り上げています。黒と白のツートンカラーで、野鳥ながらとても人なつこい性格です。

[222]人より先にTwitterしていた、シジュウカラ
(2016年03月22日)

2019040501.jpg
※クチバシに粟の皮をつけ、得意げにカメラ目線を送るシジュウカラ
 (筆者撮影)

 鈴木氏はシジュウカラは鳴き声に文法があることを発見した方です。発表当時はまだ意味のわかる鳴き声は少なかったのですが、先日の番組ではかなり解明が進んでいました。

 まず、進んでいたのがスマホにシジュウカラ語への変換アプリが登録してあったこと。画面の日本語をクリックすると、枝に取り付けたスピーカーから、該当する鳴き声を出す仕掛けです。

 「警戒して集まれ」を押すと、すぐに一羽のシジュウカラがやってきました。次に「危険」を押すと、あっという間に飛び去ります。まるで鳥のドローンを操作しているかのよう。

 さらに興味深かったのは、シジュウカラは多言語説。メジロなど他の野鳥が出す鳴き声の意味をシジュウカラはちゃんと理解しているそうです。

 それを鈴木氏は「鳥リンガル」と呼んでいます。

 この発見は森の中で何ヶ月も鳥を観察し続けた結果、気がついた新発見だそうです。しかもその森とは、研究室のある駒場(東大駒場キャンパス)の森。人付き合いするくらいなら森にいた方が落ち着くという鈴木氏ならではの観察。

 この説には筆者の経験からもうなづけます。たとえば、エサ台を設置するとまずやってくるのが、メジロ。次に来るのが、それを見ていたスズメやハト、ヒヨドリ。最後にようやくシジュウカラの登場です。
 このエサ台は安全だとトリ社会(?)に知れ渡るのか、一週間もすると、さまざまな鳥がやってきます。カラスは無論、ジョウビタキ、オナガドリ、ツグミなど珍しい鳥も。森が近ければ、姿を見ることはめったにないキツツキの仲間、コゲラまで現れます。

 かれらは同種の仲間だけとつきあっているわけではなさそうです。あそこは安全だ、エサがもらえる、水場がある、ネコが巡回している・・・。さまざまな情報を周囲の異種の鳥からも聞き取っているのでしょう。

 人間の社会にも早く、鳥リンガル社会が訪れると良いですね。(水田享介)

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