「できる!」ビジネスマンの雑学
2022年10月31日
[743]猫耳のフリル。それは、ヘンリーのポケット(Henry's Pocket)。

 もし、身近なところに猫がいたら、そっと近づいて猫の耳をじっと観察してください。
 いつもと変わりがないけれど・・・。その通りですが、耳の外側の付け根に注目してください。

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 なにか変わったところはありませんか。

 そう、耳の外側は一直線に頭につながっているわけではありません。

 いったん、フニャフニャと二つに分かれて、切れ目が入ったような形に分割しています。見ようによってはフリルがついた状態になっています。

 これは、猫がケガをしたわけでも、進化の途中でうまく耳を作れなかったわけでもありません。これで正しい耳なのです。

 実はこのフリル、長い間、何のためにあるのかは謎でした。

 そして、英語圏の人々は、耳の付け根にあるこのフリルの事を「ヘンリーのポケット Henry's Pocket」と呼んでいます。

Henry's Pocket: Every Question About That Weird Cat Ear Flap Answered
THE DOG PEOPLE

22103102.jpg

 ヘンリーとは、磁気・電波の研究家、ジョセフ・ヘンリーの名に由来するそうです。聞くところによると、音の高低を耳にあるこのフリル(ポケット)内で分離増幅させ、獲物の出す高周波音を鮮明にしているといわれています。

 「ラットとマウスが出す鳴き声の範囲、22~70kHzをヘンリーのポケットが聞きやすく増幅するのに役立つと考えられている」(要約

'Knowing that the calls of rats and mice range from 22 to 70 kHz, this helps explain just what those amazing cat ears are tuned into. Bringing it all back to the Henry's Pocket, it is generally assumed that this unique feature serves to amplify such sounds. '

 ただ、このことをジョセフ・ヘンリーが解明したわけではなく、伝統的にその名で呼ばれてきたというだけ。命名の経緯も謎だらけで不思議ですね。

 ヘンリーのポケットは、一部の犬種、コウモリなどにも備わっているそうです。

 このフリルのおかげで、猫は左右の耳を独立して自在に動かすことができるとも、よりかわいく見せているともいわれています。

'Other theories about the usefulness of the Henry's Pocket include:
Helping the ears to fold
Extra cuteness
Assisting a cat in ignoring you '

 センサーなのか、折りたたみ機構なのか、それともただの飾り?

 ヘンリーのポケット。その真相はやっぱり、猫に聞くほかなさそうです。(水田享介)

■関連リンク
ヘンリー (Henry, Joseph)とは
(weblio辞書)

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