「できる!」ビジネスマンの雑学
2024年05月10日
[885]末尾。マルハラより危険。位置情報シェアの拡散

 今の若者をひとくくりにして「Z世代」と呼ぶ風潮があるようです。会話の中で定着しているわけではなさそうですので、マーケティング関係者が「流行らせたい造語」として意図的にマスコミに流しているのでしょう。

 そのZ世代の彼ら若者には、なんとも不思議な言葉のセンス?がはやっているとする報道が話題になりました。

LINEが映す、世代のズレ 「。」ついた文末、「マルハラ」?
文末に「。」(句点、マル)を付けるのは若者に恐怖心を抱かせる「マルハラスメント」――。SNS(ネット交流サービス)でそんな造語が話題・・・。
毎日新聞 2024年2月28日

 文章を書く職業の筆者としては、句点の「。」は「文末につけるルールに過ぎない」、「広告コピーにはつきませんが・・・」と言いたくもなりますが、誰しも若いうちは小さなこだわりはあるかもしれません。

 マルハラ現象はネット番組から派生したとの指摘もあります。

文の終わりを示す句点の「。」...
チャットやLINEなどでのやり取りの際、マルをつけて「はい。」「了解。」などと連絡すると、若い世代が「怖い」「返信を拒絶されている」と感じるとの指摘がある。その名もマルによる「マルハラスメント」。ネット番組で注目され、・・・。
毎日新聞・余録 2024年2月17日

 このマルハラ現象がZ世代にどの程度、定着しているのかを調査した結果がこのほど発表されました。

文末が「。」だと威圧感がある? 男女500人に"マルハラ"について調査 マーケ支援会社が発表
 調査の結果、回答数が最も多かったのは「あまり気にしたことはない」で64.8%・・・句点終わりの文章をマルハラだと、ネガティブに受け止めてしまうユーザーが約1割ほどいる結果・・・。
ITmedia NEWS/松浦立樹 2024年05月08日

24051001.jpg

職業別で見ると、文末の「。」に「丁寧さ」を感じている方は会社員・公務員が28.6%・・・「威圧感」や「距離感」などネガティブに感じている方は学生・パート/アルバイトが最も多くなっています。

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※全体

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※年代別

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※職業別

(出展元:https://www.afi-b.com/beginner/archives/tsushin/14466/)

 筆者の周辺で「マルハラ」の話題を聞いたことはないので、文末の「。」を威圧的ととらえる割合が1割というのは妥当でしょう。

 日本語がネット空間で使われ始めてまだ20年足らず。手書きや印刷物からデジタル空間に晒されると言語はどう変わるのか。まだ誰にもわからない未知の世界ですから、この1割の若者がどう変化していくのか、今後の展開が楽しみです。

 ◆

 若者の間であらたに流行っているのが、スマホの位置情報ををシェアしあうことで、それを「シン密圏」と名付けたレポートが、とある広告代理店系マーケティング会社から発表されました。

Z世代を中心に拡大中!
位置情報をシェアすることで生まれる 「シン密圏」とは?!
Yahoo!Japanニュース 2024年5月8日 ※リンクが切れる可能性があります)

Z世代を中心に広がる"位置情報のシェア"ではないだろうか。本プロジェクトでは位置をシェアすることで生まれる、"親しさ"から拡がる新たなつながりを「シン密圏」と名付け、その実態を紐解くとともに、その価値観について考察、これからの社会、ビジネスを考える上でのキーワードを提言・・・。
FINDERS 2024年5月8日

 「シン密圏」・・・「親密」と「密度」を掛け合わせたのか、マーケティング関係者(広告業界人)がひねり出した、いかにもな「新語」のたぐいです。

 しかし、こうした行為は「はやっているから、若者のあいだで流行しているから」などの言い方で広告業界からレポートするのは、あまり好ましいことではないでしょう。

 なぜなら、位置情報を無防備に公開し続けることは、本人の意図とは無関係に思わぬ危険を招くからです。

 過去には当コラムで「スマホの写真の中に位置情報が埋め込まれる設定」のまま公開すると、すぐに自宅や職場の位置を突き止められることを紹介しました。

 ストーカー行為やつきまといなどを呼び込む危険があるため、基本設定では位置情報は常にオフにしておくことはとても重要です。

 スマホの使い方と機能の危険性を子どものうちからきちんと教えることが、家庭でも学校教育でも求められています。

 特にIT技術をリードしその知識を活用してビジネス展開する企業は、スマホが誤った利用につながる情報には細心の注意が必要です。

 社会的モラルを問われる大手広告代理店が、流行のねつ造やあおり行為を行いながら、若者を危険な方向にミスリードするのは厳に慎むべきではないでしょうか。(水田享介)

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