東京国立近代美術館(東京・竹橋)では、「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」と題して、昭和100年を振り返る展覧会を開催しています。
展覧会概要
《コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ》
会期:2025年7月15日(火) ~ 10月26日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
休館日:月曜日(ただし10月13日は開館)、10月14日
開館時間:10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)
入館は閉館の30分前まで
主催: 東京国立近代美術館![]()
※美術館外観
チケット等の詳細については公式サイトにてご確認ください。
東京国立近代美術館・企画展公式サイト
https://www.momat.go.jp/exhibitions/563
1930年代から1970年代まで時代と文化を振り返る展示となっていますが、昭和を語る上で太平洋戦争は避けることはできないでしょう。
特に「戦争画」とも言われる戦時中に制作された絵画は、戦後は痛烈な批判を浴びて日本の美術史から消し去られたかのようでした。
「戦争画」と今、向き合う 「記録をひらく 記憶をつむぐ」展、
東京国立近代美術館で
本展は、同館が所蔵する「作戦記録画」を中心とした8章で構成。作戦記録画とは陸海軍の依頼を受けた画家が公式に戦地を描いた絵画で、戦意高揚や銃後における啓発宣伝を目的に制作された「国策絵画」...。
(産経新聞 2025年8月25日)
しかし、今回の展示では数多くの戦中絵画がまとまって展示されることになりました。
作品リストには美術史に名を残す著名な画家が一堂に会しています。
●作品リスト(一部)
藤田嗣治《アッツ島玉砕》(1943年)東京国立近代美術館(無期限貸与)
中村研一《コタ・バル》(1942年)東京国立近代美術館(無期限貸与)
宮本三郎《山下、パーシバル両司令官会見図》(1942年)東京国立近代美術館(無期限貸与)
鶴田吾郎「神兵パレンバンに降下す」(1942年)東京国立近代美術館(無期限貸与)
梅原龍三郎《北京秋天》(1942年)東京国立近代美術館![]()
いずれも戦争史などの書籍で目にしたことのある絵画やポスターであり、その現物を見ることのできる貴重な機会となっています。
また、「日曜美術館」(Eテレ)では、来る2025年9月21日(日)午前9時より、「戦後80年 戦争画と向きあう」とするタイトルで本展覧会を詳しく紹介する予定です。
戦後80年 戦争画と向きあう
戦後80年を機に、東京国立近代美術館では「戦争記録画」二十数点を中心とした展覧会「記録をひらく 記憶をつむぐ」が開催中だ。
(NHK Eテレ)
さまざまな理由から、本展覧会の広報は控え目でチラシ、ポスターもなく、展示記録となる図録すら作られていません。
昭和の歴史を物語る貴重な美術品の数々を、自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。(水田享介)