「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年03月10日
[365]スマホの着信に出ない就活学生。その理由とは・・・

 電話は今でも重要な伝達手段です。たとえば、米ソのホットラインしかり。そこまで大げさでなくとも、芥川賞はもちろん、昨年末にはある受賞者がつかまらないと話題になったノーベル賞も、電話による伝達でした。
 なぜ、メールや電報ではなく電話なのか。それは本人の人生や将来を左右する程の重要事項は直接本人に伝えようとの判断からですね。

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 電話は時としてとても重要なメディアですが、「いまどきの若者たち」はなかなか電話には出てくれないようです。

電話は嫌い、非通知出ない 人事も驚く今どきの就活生
 「学生が電話に出てくれない」――。3月1日に解禁となった2018年卒の採用活動。浪人や留年などの寄り道なしで卒業予定であれば、1995~96年生まれの大学生たちは、生まれたときからの携帯電話世代だ。彼らの通信手段は「LINE」「ツイッター」がほとんど。就職活動になって初めて、「見知らぬ大人との電話コミュニケーション」に直面、とまどう学生も少なくない。通信手段の変化が、就活に思わぬハードルをもたらすこともあるようだ。
NIKKEI STYLE・出世ナビ/松本千恵 2017年3月8日掲出)

 採用通知の電話とわかっているなら、誰しも喜んで出るはずですが、なぜ出ないのか。
 「知らない電話番号だったから」
 「電話番号が非通知でかかってきたから」

 このふたつが主な理由のようです。

 つまり、若者の「情報リテラシー」に照らし合わせると、

 「かけてきた相手が誰だかわからない電話には出ない」

というルールが徹底しているという事です。

 これは情報リテラシーから見ると、正しい判断と言えます。第三者からのケータイやスマホへの着信は、高額商品などの勧誘であったり「ワン切り」(※1)「非通知ワン切り」(※2)の可能性もあるため、今では「基本的に電話に出ない」が常識になっています。

 そのことを知らない企業の人事部側にこそ、問題があるのかもしれません。学生との電話コンタクト率の低さを調べる中で、自社の電話設定を見直したところ非通知着信になっていたというケースもあるようです。

「学生がつかまらないと嘆く人事に、もしや『非通知では』と確認すると、意図せず設定されていた、というパターンがある。(前出記事より引用)

 ただ、ビジネスにおける電話は、知らない人や第三者からの着信を拒否する事はできません。企業としても、電話でのコミュニケーションができない学生や連絡はLINE限定という学生を安易に採用するわけにはいきません。

 そのため企業からかけた電話に学生がどう反応するのか、その対応能力も選考対象としている企業もあるそうです。

 就活中であればなおさらのこと、学生の皆さんはこれまでの安全重視の情報リテラシーを見直して、電話とのつきあい方を変える必要がありそうですね。(水)

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※1=「ワン切り」:悪徳業者が着信に電話番号残して、かけ直した利用者を「ダイヤルQ2」などの有料サービスに繋げる。高額請求の手口として知られている。
※2=「非通知ワン切り」:主に次の3つに分類される。1.高額請求業者のリストづくりでコンピュータが自動的に発信している。2.調査会社の信用調査目的。3.いたずらやストーカーなどの迷惑行為。

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