「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年05月24日
[397]磯の「サザエ」、ワタクシ実は名無しでした

 磯の「サザエ」というと、あの著名なマンガの主人公を思い浮かべてしまいます。

 いえ、今回の主人公は魚屋さんに並ぶ、食べるほうの「サザエ」です。そして、サザエに名前がなかったというのも変な話ですが、本当でした。

 日本のサザエには学名がなかったのです。

 では「日本産サザエに新種発見か!」と思いがちですが、そうではありません。

 私たち日本人が普通に食べている、それこそ漁場に行けば山ほど獲れるサザエが、学術的に分類されることもなく、正式な学名がつけられもせず、

「学者からサザエは放置されていた」 のです。

2017052401.jpg

 一般的に動植物の「新種発見」は、よほど未開の地でなければ、見つかるものではありません。私たち日本人が日常的に食べ、マンガになるほど親しまれている貝類がなぜ、学者たちから放っておかれたのでしょう。

日本の「サザエ」学名なかった 岡山大・福田准教授が"新種"解明
 学名も「サザエ」でごさいます―。岡山大大学院の福田宏准教授(貝類分類学)は19日、日本のサザエが学名のない新種であることを突き止め、新たに命名したと発表した。別種の中国産と混同されていたことなどを明らかにし、和名の「サザエ」を万国共通の呼び名とした。

(中略)
 日本のサザエは1848年、英国の貝類学者に描かれたが、誤ってナンカイサザエに分類された。1995年に日本人学者が両者を別種と見抜くまで誤りは引用され続け、学名は検証されなかった。

 福田准教授は「『サザエに学名がないはずがない』という先入観などによって長い間、誤りに気付かなかったのではないか。他の種についても正確な分類を調べ直す必要がある」と話す。
山陽新聞 2017年5月19日掲出)

 よく知っている生き物だから、とっくの昔に学名はついているだろう。そういう思い込みが、サザエを野放しにしてしまった・・・。

 なんだか宿題をやるのを忘れていた小学生のような話ですが、そのおかげで学名に日本語の「サザエ」が入ることができました。これから世界中の人が日本のサザエをサザエと呼ぶわけですから、うれしいですね。

 ところで、日本語には名前のないものにもすでに名前がついていることはご存知でしょうか。

 名無しの権兵衛・・・。

 チョット古いか。(水)

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