「できる!」ビジネスマンの雑学
2018年03月19日
[519]災害に耐える力を持つ「生きた橋」。インドで発見

 先日、アメリカでできたばかりの歩道橋が崩落し、信号待ちをしていた多数の乗用車が押しつぶされる痛ましい事故が発生しました。

 事故の原因はこれから検証が進むでしょうが、先進国でもこのような惨事が起きたことに驚きを覚えました。

 落ちない橋を作ることはできないのでしょうか。残念ながら、人が手がける建築物は、いずれはさび付き、朽ちて失われるもの。たとえどんなに頑丈に造ったとしても。それは曲げられない常識として、現代人なら誰もが受け入れているところです。

 では、人の手でつくられていない建造物はどうでしょう。

 いえ、人が設計も建設もしない建造物などは考えられません。科学文明が発達した世の中、そんな常識外れの話は通用しないでしょう。

 ところが、世の中には人の手がかかっていない建造物の橋が存在するのです。しかも人に利用されながら、成長を続ける橋が。

 その場所は、インドは北東部の山深い村。雨の多い渓谷部に位置するこの地方では、驚くことに川を渡す橋は「生きていて成長をつづけている」のです。

木の根っこでつくられた「生きている橋」
インドの「神の庭」
 近代的な建築資材が利用できるようになるずっと前から、カシ族は荒れ狂う川を超えて点在する村々をつなぐ巧みな方法を生み出していた。インドゴムノキの根を用いた「生きている橋」だ。
 確かな支えとなるように、木は両岸に植えられる。そして、15年から30年ほどをかけて、竹製の仮の足場に沿ってその根を這わせ、橋をかける。やがて湿度と歩行により土が踏み固められ、根は絡まり合って太く、強くなる。完成した橋は、川や谷の5メートルから75メートル上にかかり、かなりの重さにも耐えられる。一度に最大35人が渡れるほどだ。
Yahoo!ニュース 2018年3月15日掲出)

2018031901.jpg
※Yahoo!ニュースより引用

 生きた木が絡まり合ってできた橋。それをわたる子どもたちは、まるでファンタジー映画のセットの中かと思わせる幻想的な景色です。

 本当にこんな世界があるのかと、一瞬目を疑いますね。
 
 この「生きた橋」は、人が渡れるように生長するまでに15年から30年という、長い待ち時間が必要なのです。

 それでも、ひとたび完成すれば、急な濁流や暴風雨にも耐える強さを持つそうです。

 科学技術の限界をやすやすと超える知恵と木の生長を待ち続ける忍耐力。今の私たちには失われたものばかりです。

 現代人の私たちがどっぷりとつかる文明社会の便利さと危うさについて、考えさせられました。(水)


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