「できる!」ビジネスマンの雑学
2018年05月18日
[543]悪い所はiPS細胞が治す。切る治療から再生治療へ

 iPS細胞とは、山中教授が2006年に人工的に創りだした、さまざまな器官になることができる多能性を持った幹細胞です。
 この発明により、山中教授は2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞し、再生医療の幕を開いたのは、記憶に新しいことです。

 iPS細胞の発明から今年で12年。いよいよ本格的な治療に利用されることになりました。しかも治療の現場は、日本です。

iPSで心不全治療、厚労省が臨床研究を了承
大阪大が世界初、今年度中にも心筋移植
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作ったシート状の心筋を重症心不全患者の心臓に移植する大阪大の臨床研究について、厚生労働省の部会は16日、計画の実施を了承した。同大によるとiPS細胞を使った心臓病の臨床研究は世界初で、今年度中にも移植手術を行う。
(中略)
 計画では、拒絶反応が起きにくい免疫タイプの健常者の血液から京都大が作製、備蓄しているiPS細胞を使用。これを大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)らのチームが心筋細胞に分化させ、直径数センチ、厚さ約0・1ミリの円形シートに加工し、患者の心臓に移植して貼り付ける。
 心筋シートは血管の形成を促進する特殊なタンパク質を分泌。これにより血流が回復し、傷んだ心筋を再生させる。シートは自然に拍動し、心臓の拍動を強める働きもあるという。
産経ニュース 2018年5月16日掲出)

2018051801.jpg

 筆者の素人知識ではありますが、これまでの西洋医学では患部とは取り除かなくてはならない悪い所とみなされ、手術といえば切り取るしか方法がなかったように思えます。

 切り取るだけの治療では、悪い所はなくなっても生きる機能を失うことになり、「手術は成功、命はおしまい」という結果も少なくありませんでした。

 早ければ今年度中にも実施される心不全治療。ぜひとも成功して、切る治療から再生する治療へ、日本の医療が進化することを祈っています。(水田享介)

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■関連リンク
「iPS細胞とは?」
(京都大学 iPS細胞研究所・公式サイト)
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/faq/faq_ips.html

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