「できる!」ビジネスマンの雑学
2018年11月30日
[620]実物広告が一番、布団を吊しました

 筆者はコピーライターとして、二十代から広告業に携わってきました。広告とひと言で言っても、その中身はカタログやチラシ、ポスターなどの印刷物から、雑誌や新聞などの平面メディア、テレビ・ラジオのマスメディアまで、さまざまな広告媒体でなりたっています。

 そのほとんどを経験した中で、特に印象的なのが電車などの車内広告です。

 車内広告は、電車や地下鉄の車両を媒体としていて、網棚上と天井のすきまにある「額面広告」、ドア周りにべたべた貼りつける「シール広告」、そして数メートルおきに天井からぶら下がっている「中吊り広告」でなりたっています。

 その中でも、もっとも注目を集めて取り替えも簡単な中吊り広告は掲載期間が短いため、週刊誌やキャンペーン、地域のイベントによく使われています。いまでは電車内の誰もがスマホとにらめっこ状態ですが、週刊誌の記事の見出しを見るだけでも時間がつぶせるので、かつては必ず目を通すひとも多かったものです。

 今となってはスマホに押され気味の車内広告ですが、今週、世間を驚かせる中吊り広告が登場しました。

電車に"本物の布団"使った中吊り広告
ふかふか素材に「触ってしまった」と反響 企業の制作意図は
 電車の吊り革のそばに、ふかふかの布団がぶら下がっている......! 11月26日から東京メトロの車内に羽毛布団を使った中吊り広告が登場し、Twitterでは目撃した人が「びっくりした」「面白い」「つい触ってしまった」と相次いで写真を投稿しています。
ねとらぼ/黒木 貴啓 2018年11月26日掲出)

2018113002.jpg
※イメージ

 筆者の記憶では、これまでも小さな商品などを封入して吊り下げたことはありました。たとえば、紙ではなく布製の暖簾を下げてみたり、プラスチックケースにサンプルを封入したりという形で。
 つり下がる主体に商品が付属するという形式は守られていました。

 しかし、商品自体が中吊り広告そのものになったのは、今回が初めてではないでしょうか。

2018113001.jpg
※「ねとらぼ」サイトより引用

 自社の工場で製造したとしても、広告のサイズ内に羽毛布団を作るという規格外の作業、おそらく数百枚の生産数、布団の布に印刷をする手間、安全につり下げる工夫と許可の取得・・・。

 ちょっと考えただけでも、その準備は簡単ではなかったはずです。

 掲載サイクルが短く一発勝負の中吊り広告ですが、これだけの努力が無駄ではなかったようです。

 本物の羽毛布団にペタペタと触りまくるひとが続出中とか。

 掲載は2018年11月26日~12月2日まで。「東京メトロ全9線でそれぞれ1編成ずつに展開中」(前出「ねとらぼ」より引用)とのこと。

 もし見かけたら、ふかふかの中吊り広告に顔をうずめるのは無理としても、両手で思い切りスリスリナデナデしたいですね。(水田享介)

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