「できる!」ビジネスマンの雑学
2019年06月28日
[700]コラム最終回。これからの日本、気がかりなこと

 2015年2月27日からスタートした当コラム、『「できる!」ビジネスマンの雑学』は、700回を迎えた今回を持って終了します。読者の皆様には、長い間、おつきあいいただき感謝申し上げます。

 さて、最終回にあたり、筆者が常日頃、気がかりに思うことを書き並べてみます。

●社会の変革に追いつかない日本のテクノロジー
 ここ数年、クルマの自動運転、AIの活用、ロボットの社会進出などがしばしば話題に上ってきましたが、これらの技術が人に置き換わるほどの進歩を遂げるのはまだまだ先のようです。

 一方で、高齢者ドライバーによる悲惨な交通事故が目立ってきました。団塊世代が70代にはいり、アクティブな高齢者が爆発的に増えることはとっくの昔からわかっていたことです。
 自動車業界はシェア争いや自動運転、EV化技術など世界覇権争いに目を奪われていて、国内の高齢者ドライバーへの対応がおろそかになっていたのではないでしょうか。

 日本に起きている社会変革に、いまだ備えができていない分野は他にもたくさんありそうです。

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※イメージ(AI・人工知能のイベントに押し寄せる人々)

 世界的IT企業がさまざまな分野で利益の総取り現象を起こしながら、税制の裏をかく課税逃れのため、世界中で糾弾され始めました。世界を覆わんばかりのネットワークやテクノロジーを駆使すれば、GAFAなどの巨大IT企業は、国家の垣根や国際法などでは、その活動を制限されないことを思い知らされました。

 IT技術は進化しているのに国や社会が対応できない一方、社会変革にそのIT技術が活かされない事態が発生しています。

●スマホにSNS、大賑わいのIT社会。その裏側
 自分の投稿をどれだけの人が読み、いくつの「いいね」がもらえたのか。何人のフォロワーがいるのか。どんな著名人とつながっているのか。
 SNSではこれらが数値化されて、わかりやすく表示されます。ネット社会での伝達力が大きいほど偉いと勘違いした人が増えてきた最近では、数値を上げるための投稿ばかりが目立ちます。いいねやリツィートの数が、その人の知名度や実績の裏付けになっていると信じ込んでいる人で、いまのSNS社会は成り立っているようです。

 しかし、起きているすべてのことは、スマホの中の仮想空間で起きたことにすぎないのです。

 1万人単位でフォロワーはすぐに買えますし、「いいね」の数などいくらでも増やせます。仮想空間で承認欲求が満たされれば、それでオーケー。どんなおいしそうな料理も写真で自慢するのが目的なので、食べずにゴミ箱行き。

 本当に心から対話できる相手、時間を割いてくれる友はいったいどれだけいるのでしょうか。満たされない心を架空の世界で埋め合わせても、現実世界で自分の経験値も実績も積み上がることはありません。

 SNSの裏側は闇だらけ。人生の大切な時間が、仮想空間に吸い取られていくばかりです。

●フェイクニュースに振り回される社会
 ウソを暴いても真実が現れるとは限らない。
 ウソがばれる、虚偽が告発される。それはよいことかもしれません。しかしウソを明らかにした所で、それが真実の判明につながるとは限りません。ウソと真実は別の原因、違った経緯で生まれるものだからです。

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※イメージ(筆者が通った小学校)

 ウソばかりを追求しても徒労に終わることもある。ウソの糾弾に労力も時間も費やすうちに真実は遠ざかってしまいます。
 フェイクに振り回される社会では、真実を見つける努力は後回しになってしまいました。

●人口減少。縮小する日本国でどう生きるか
 31年後の2050年には、日本の人口は25.5%(3300万人)減少して9150万人、2100年には48%(6250万人)減少して7500万人になると国連は予想しています。
 これから先の日本で生きていくのに、大人の助言は当てになりません。なぜなら日本の経済は人口増加を前提に組み立てられて、ほとんどの企業も大人もその中でしか経済活動をしてこなかったからです。
 チェーン店は増加するはず、前年比は必ず上回って当たり前、会員数はいつまでも増え続けなければならない。そういう時代は、日本では終わりを告げました。

日本の人口、2100年に7500万人 減少見通し加速
 国連人口部は17日、世界人口について、2057年に100億人を突破する一方で、日本の人口は58年に1億人を下回り、2100年には7500万人になるとする推計を発表した。国連人口部が2年ごとに発表するもので、前回の17年は日本の人口が1億人を下回るのは65年としていたが、今回は7年早くなった。
朝日新聞デジタル・藤原学思 2019年6月18日掲出)

 我が国における総人口の長期的推移
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf
 (総務省資料)

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※イメージ(四国のとある街の寂れた商店街)

 これからの日本の若者は、ダウンサイジングしていく国のなかでどうやって生きのびていくのか、そのことを考える時代に入りました。

●自然災害のマイナスを組み込んだ生活設計
 日本特有の問題ですが、日本列島は地震の活動期に入ったとも言われています。自然災害というマイナス要因を考慮しない生活、企業活動は、これからは長続きしないでしょう。地域社会との調和をとり、非労働者や介護が必要な弱者をどこまで守れる社会になれるのか。
 こうした取り組みの見本はまだどこにもありません。日本国に住む人であれば、誰もが取り組み、共に解決策を見いだしていくほかありません。

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※イメージ(筆者が育った田舎の川)

 ◇

 最後に、コラム執筆のお声がけをいただいた明日香出版社社長 石野栄一氏にお礼を申し上げます。筆者の雑談のようなコラムを辛抱強く見守っていただきました。
 早稲田出版サービスの片山こずえさんには、締め切りぎりぎりの中、いつも適確な校正をしていただき、何度も救われました。ありがとうございました。
 筆者の妻、潤子は毎週のようにイベント情報や書籍情報を提供してくれました。おかげで4年4ヶ月の間、休まず執筆することができました。ありがとう。

 700回のコラムの中で皆さんのお役に立つコラムが何回あったでしょうか。今はそのことを自分の胸に問いかけている毎日です。

 職場で働く皆さんの一助となることを心がけて執筆してきました。もし、一回でもお役に立つ話題があったなら、筆者にとってこれ以上の喜びはありません。

 長い間、ご愛読いただき、ありがとうございました。


【追記】
 ここまで書いた所で、青天の霹靂!驚きのニュースが飛び込んできました。

 私の古くからの仕事仲間の方が本を出すことになりました。いえ、その方が著者ではありません。正確には「その人の行状をまとめた本」が出ます。本の内容を実行した、いえ、やらかしたことをまとめたら一冊の本になる、希有の人とでも言いましょうか。

 かといって有名タレントでも、辣腕経営者でも、著名人でもありません。普通の方です。

 ただ、ちょっとだけ「まちがいの多い人」なのです。

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書籍タイトル:「まちがう人」
 (まちがい大将・和田さんの迷言・迷事件集「Wadadas」)
発行元:ダイヤモンド社
帯:「さくらももこさん」からいただいていたイラスト入り
2019年7月10日発売予定

この本は、「広告業界」に実在した、都市伝説的な人物「和田さん」の、
・「さまざまな、まちがい」
・「ビジネスマンとしては、あり得ない勘違い」
・「常識を超えた、不思議な行動」
を、和田さんを近くで見守る、私「K(ケー)」が、丹念に記録したものである。
(Amazon 「まちがう人」より引用)
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※イメージ

 筆者の20代、30代のコピーライター時代は、この方と一緒に広告をつくっていました。とても楽しかったです。いろいろな意味で!

 なぜ、さくらももこさんのイラスト付きなのか。それはさくらももこさんが和田さんの大ファンだったからです。なんだか不思議ですね。

 ぜひ、ご一読ください。

 それでは、みなさん、ごきげんよう。さようなら。(水田享介)

『「できる!」ビジネスマンの雑学』 ~ 完 ~

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