「できる!」ビジネスマンの雑学
2024年04月05日
[878]ハチオウジゾウが八王子に帰ってくる

 このたび、古代の象、ハチオウジゾウが東京都八王子に帰ってくることになりました。

「ハチオウジゾウ」化石、発見者が八王子市に寄贈
2010年に新種認定
 化石は2001(平成13)年12月、当時、八王子市立元八王子中学校の教諭だった相場さんらが八王子市楢原町の北浅川河川敷で地質調査を行った際に発見・・・。2010(平成22)年に英国の古生物学会誌「Palaeontology」に論文が掲載され、日本では半世紀ぶりとなるゾウの新種として認定された。
八王子経済新聞 2024年4月2日

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※ハチオウジゾウ想像図(作成:筆者)

 このハチオウジゾウが生きていたのは、今から230万年前のこと。

 実は日本列島にはかつて、たくさんの種類のゾウが生息していました。

 和名をもつゾウだけでも、アケボノゾウ、ミエゾウ、ハチオウジゾウがいました。また、ナウマンゾウの化石は全国各地で見つかっています。

 筆者の知り合いの方も、瀬戸内の海底から引き上げられたナウマンゾウの牙(化石)を持っています。

 瀬戸内海は今こそ名前の通り海ですが、大昔は水位が低かったため、大阪から九州まで瀬戸内一帯は低湿地が広がる陸地でした。そして、そこはナウマンゾウをはじめとした古代野生生物の楽園だったようです。

 筆者が子どもの頃は、日本の大昔には、恐竜も野生動物もなにも棲んではおらず、したがって研究する方法もない・・・などと夢のない話を聞かされていました。恐竜の化石を見るには海外に行くしかないのかと悔しい思いを抱いた記憶があります。

 ところがそれは大間違いだったことが、ここ数十年に証明されています。

 新種の恐竜が日本列島で次々と発見されています。また、今回のように民間の研究者が新種のゾウの化石を見つけています。

 遠い昔の生き物たちの繁栄の記憶が石に託されて現代にやってきたのです。利用価値のわからないひとには化石は石ころにしか見えないでしょうが、ただの石ころではありません。

 このハチオウジゾウの化石は、現在は「慶応義塾幼稚舎サイエンスミュージアム」に展示(一般には非公開)していますが、2026年にオープン予定の「歴史・郷土ミュージアム」(八王子駅南口)にて保管・展示するそうです。(水田享介)

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230万年前の八王子にゾウがいた! ハチオウジゾウ
八王子市・公式サイト 令和3年3月26日
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kankobunka/003/002/p020715.html

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