6月から夏真っ盛りの8月まで、筆者の住む地域(東京多摩地域)ではあちこちの畑で濃い紫色の丸くかわいい果実がたわわに実っています。紫色の果実と言えば...ブルーベリーですね。
ブルーベリーは冷凍技術の発達で一年中食べられるようになり、ケーキ、デザート、ジャムなどいろいろに加工され親しまれています。
しかし、筆者としてはやっぱり採りたてを生食できる初夏がいちばんおいしく感じられます。
さて、そんなブルーベリーですが、その生産量が日本一を誇る地域(都道府県)はどこでしょうか。
・・・・・
意外なことに、「東京都」がブルーベリーの生産量日本一です。
ブルーベリー収穫量、東京都が全国1位...
練馬区には「観光農園」が約30園も
東京都内の収穫量は、2015年に30年以上トップに君臨していた長野県を抜いて全国1位に躍り出たことはご存じだろうか。その背景を調べてみると、ブルーベリーの特性と都内ならではの理由...。
(読売新聞オンライン 2022年12月19日)
1968年、日本では馴染みのなかったブルーベリーが初めて栽培されたのが「東京都小平市」でした。今では「ブルーベリー栽培発祥の地」として知られ、小平市ではシンボルマーク「ぶるべー」が親しまれています。
ブルーベリーの栽培発祥の地とは
(小平市・公式サイト 2024年(令和6年)6月25日)
https://www.city.kodaira.tokyo.jp/faq/014/014809.html![]()
その後、東京都では消費者に収穫を楽しんでもらえる観光農園化を進めて、現在では市場への出荷量よりも地産地消の分が多くなっているそうです。
果実がとても柔らかく収穫作業は手作業での摘み取りとなるため、生産者が収穫していてはとても追いつかない。観光農園化はそうした事情もあるようです。
ブルーベリーのランキング(収穫量:2021年/出典:農林水産省統計)
1.東京都(334トン)
2.長野県(256トン)
3.群馬県(231トン)
https://www.kudamononavi.com/graph/category/ca=36
(果物情報サイト 果物ナビ)
東京都に住む方はぜひ憶えておいてください。今のところ、東京都が生産量日本一として誇れる農産物はブルーベリーだけです。
ところでなぜ東京でブルーベリーが根付いたのでしょうか。それは関東特有の土壌と関係があります。酸性土壌を好むブルーベリーには火山灰が堆積してできた「関東ローム層」が最適の土壌だったのです。
そのため近年では、関東ローム層が広がる群馬、茨城、栃木など関東一帯でもブルーベリー栽培がさかんになっています。
日本各地の自治体でブルーベリー補助金制度が普及しており、北海道から九州まで、その土地の特産品として定着しつつあります。
特産のブルーベリー 出荷始まる 山都町
山都町では、米からの転作作物としてブルーベリー作りが始まり、いまでは50軒以上の農家が栽培に取り組んで...。
(NHK 熊本 NEWS WEB 2025年6月22日)
みなさんのお住まいの近くにもブルーベリー畑があるかもしれません。ぜひ採れたてのブルーベリーを味わってください。(水田享介)