「できる!」ビジネスマンの雑学
2026年02月16日
[1079]求む!銭湯後継者。石川・小松市

 すでにご存じの方も多いでしょうが、日本の人口は急速に減少しています。どのくらいのスピードかというと、2011年から人口減に転じて以降、2024年の統計では、一年間で約90万人減りました。

 90万人と言えば、北九州市や東京都世田谷区の住民数と同じですから、このままでは毎年、大都市ひとつ分の人々がいなくなる計算です。

日本の総人口 推計1億2380万人余 14年連続減 日本人の減少最大
去年(2024年)の日本の総人口は、推計で1億2380万2000人と前の年より55万人減り、14年連続の減少となりました。外国人を除いた日本人の人口は前の年から89万人あまり減り、過去最大の減り幅...。
NHK ONE 2025年4月14日

 おととしの2024年、日本の人口が約90万人が減少して1億2380万人(2024年10月1日現在)になりました。とはいえ、私たちが人口減を身をもって実感することは少ないでしょう。
 なぜなら減少率で言えば、例えるなら生徒数240人の学校から9人がいなくなるのと同じ事です。毎年、同級生数人の退学者が出ても、それが親しい友人でもない限り寂しい気持ちにならないのと似ています。

 しかし、人口が減るにつれ、様々なサービスや施設が消えていく現実があります。特に地方の都市ではその傾向が顕著です。

 石川県小松市では1世紀も続く銭湯「角湯」が後継者不在のため、今年3月で廃業を余儀なくされようとしています。


※小松市の角湯(かどゆ)さん。明治41年創業。(ほかほか銭湯結社・北陸支部のXより)

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明治創業、100年超続く老舗銭湯「角湯」。歴史ある憩いの場を活用してくれる人を募集
ニホン継承バンク 2025.10.28

 建物は2001年に改修していて、とてもモダンなデザインです。ただ、今後も営業を継続するには、ボイラー等のメンテナンスや老朽化した設備の交換に多額の費用が掛かるとのこと。(※費用の詳細は上記記事にて紹介)

 銭湯の売り上げだけで日々の燃料費や人件費などの経費を将来にわたって賄えるのかも心配のタネです。銭湯を経営するといってもそれで食べていけるのか、心許ないですね。

 とはいえ、銭湯という準公共の施設を採算性だけで語るのは、少なからず抵抗を感じます。

 それは街中から本屋さんが消えていく現象に通じるものがあります。かつて小さな町にも数軒の本屋さんがあったのが、いまや10万人クラスの都市でも駅前や商店街で書店を見つけるのはとても難しくなっています。

 儲からない商売、稼げない店、将来が見えない職業は、店舗も後継者もなくなるのは必然...と常識あるコンサルタントなら言うでしょう。

 ◆

 昨年のドキュメンタリー番組で、火山の大噴火で火山灰に埋もれたポンペイの発掘調査を紹介していました。古代ローマ時代の浴場の地下から金属製の湯沸かし釜(ボイラー?)が見つかりました。その釜は修復しながら数百年は使われていたそうです。二千年前のローマ人のお風呂への執着がよくわかる話です。

 つい先日に視聴したNHK番組「ドキュメント72時間」では、能登・珠洲市の銭湯を取材していました。井戸から水を汲み上げて木材でお湯を沸かす方式のため、地震の影響が少なく、被災者、ボランティアの皆さんの憩いの場となっているそうです。風呂を沸かす店主は、倒壊した家屋の廃材でお湯を沸かすことについて...、
「珠洲の皆さんの家を弔うと思って、この廃材でお湯を沸かしている」と語っていました。

「ドキュメント72時間 奥能登・珠洲 海辺の銭湯」
地震の直後に断水が広がる中、地下水をくみ上げ、倒壊した家屋の木材を燃やし、いち早く営業を再開した。貴重な風呂を提供し、ここで再会し安否を確認し合う人もいた。
NHK総合 初回放送日:2025年2月28日

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 偶然かも知れませんが、この銭湯で地元の人との交流を得て、能登に移住してきた若者が何人も登場していました。

 ビジネスだけでは語れない銭湯のビジネス。でも存続しなければ交流の場として続くわけもない。

 お風呂屋さんを継続させる良いアイデアを誰か持っていないでしょうか。そして、小松市のお風呂屋さんによい後継者が見つかってほしいものです。(水田享介)

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