巨大IT企業GAFAの一角を占めるフェイスブック社。その創業はハーバード大学内の小さなSNS交流サイトがスタートでした。その後、Facebookの名称で事業を拡大し、世界規模のSNSに育ちました。さらに、インスタグラムなどの人気コンテンツを次々と買収するなどして、現在の地位を築きました。
2021年10月、フェイスブック社は社名を「メタ・プラットフォームズ」に変更。事業主体を仮想空間(VR)の交流サイトへと舵を切りました。
筆者の私見に過ぎませんが、創業者のザッカーバーグ氏は社名をその時々の事業内容に合わせたがるようです。
VRへの投資は昨年の2025年までに10兆円とも12兆円とも言われていますが、その投資に見合う成果は望めなかったようです。
Metaが1000人超のレイオフと傘下VRスタジオ閉鎖を正式に認める、
メタバース戦略からモバイル向け機能とAIウェアラブルへ方針転換
Reality Labsは2021年初頭以来、多くの投資がまだ十分な収益を生んでいないことから700億ドル(約10兆6000億円)を超える損失を出しており、・・・大規模なレイオフに踏み切ったと報じられました。
(GIGAZINE 2026年01月14日)
日本のある自動車メーカーも、ほぼ完成していたEV車の発売を中止し、単年度で6700億円、累計2兆5千億円もの損失になると言われています。経営陣が将来の需要を読み誤ると大きな損失につながることは事業分野を問いません。
筆者は古くからデジタル系制作者として、デジタル画像やCG映像などを仕事としてきました。
この経験からメタ社が提供するVRを見ると、VR空間の設計、画像クオリティは利用者を満足させるレベルにはなく、さていつまでこのサービスが続くだろうかと思っていました。![]()
こちらが『マーク・ザッカーバーグCEOがFacebookに投稿した「Horizon Worldsで撮影した自撮り」』(発表日:2022年8月16日)
Image Credits:Mark Zuckerberg
マーク・ザッカーバーグがメタバースで行った「自撮り」がひどすぎて批判が集まる
(GIGAZINE 2022年08月19日)
CGやVRなどの仮想空間では、利用者は機材費や利用料金を取られますが、利益を得ることはほとんどありません。支払った費用の対価は楽しさや非日常体験といった満足感だけです。現行のゲームクオリティに遠く及ばない品質では、最初から勝負は見えていました。
それだけにVR事業からの撤退に筆者の驚きはありませんでした。ただし、VRの将来性はまだまだ有望です。メタ社がVRの活用方法を誤っただけと筆者は見ています。
VRに懲りたのか、メタ社は普及著しいAIに舵を切りました。
メタ、AI精鋭そろえ「超知能」に傾倒 メタバース11兆円損失で焦り
米メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が人間の頭脳をしのぐ人工知能(AI)を指す「超知能」開発に傾倒している。SNSの広告で稼ぐ潤沢な資金を人材獲得やデータセンター建設に投じる。
(日本経済新聞 2025年10月16日)![]()
※Facebookにある「Meta AI」のマーク
AI分野で出遅れ感、後発感のぬぐえないメタ社ですが、Facebookやインスタグラム内で便利に使えるAIになるそうです。そしてメタのAIは「Meta AI」と呼ぶそうです。実際にどのようなAIになるのかはいまのところ未知数です。
メタAI、日本で提供開始 インスタやフェイスブック内で
メタAIは、各サービスに設けられたアイコンを操作したり、チャット内で呼びかけたりして利用できる。同社の提供するSNS内で、質問に応えたり、写真の加工や、画像やアニメーションの生成などが可能になる。
(日本経済新聞 2025年11月25日)
ためしに筆者がFacebookから「Meta AI」に質問をしてみました。いたってふつうに会話が成り立つAIになっています。![]()
※Facebookからアクセスした「Meta AI」
筆者の予想ですが、もうすぐメタ社は社名を変更するかもしれません。「AIはミタ」、「AI雑貨(ザッカー)」とかでしょうか。今からとても楽しみにしています。(水田享介)