どうやら今週末(2026年6月27日~)は、二つの台風が日本列島を駆け抜けるようです。
いわゆるツイン台風。このときに発生が予測されるのが有名な「藤原の効果」です。
藤原の効果とは二つ以上の台風が接近した時に起こる特異な現象のこと。その現象とは以下の通り。
1)片方が「衰弱」
2)右側の台風が左上に回り込む
3)先を行く台風に付いていく
4)先を行くはずの台風が後発を待つ
5)進路を合わせる
6)反発して進路を変える![]()
※「藤原の効果」図解(weathernews より引用)
当コラムでも過去に類似の天気を扱っています。
[576]ただ者ではなかった「藤原の効果」
7月最後の週末に、日本列島を襲った台風12号は、関東から関西を経て九州に再上陸するという、通常とは逆のコースを取りました。
(当コラム 2018年08月03日)
https://www.asuka-g.co.jp/column/1808/008235.html
このときは寒冷渦と台風というふたつの渦が急接近して、台風が西に進むという珍現象が発生しています。
今回は2026年6月25日の時点で、ふたつの台風が2026年6月27日午前9時に最接近する予測がでています。まさしく「藤原の効果」を観測できるチャンスです。![]()
※2026年6月25日時点での気象庁の進路予想図(国土交通省気象庁・台風情報より)
この千載一遇のチャンスに、どこの天気予報サイトも藤原の効果を予測する動きはありません。実にもったいない。
とはいえ、天気予報の知識が皆無の筆者に、藤原の効果を予測するのは荷が重すぎます。
今の時代は「困った時のAI頼み」は常識ですね。数値計算に強いふたつのAIに尋ねてみました。
筆者は2026年6月25日午後1時現在の台風の情報、26日、27日の予想される台風情報、現況天気図を各AIに渡して、「藤原の効果」がどう発生するかを予想させました。
◆Geminiの予測は合体
グーグルが提供するGeminiでは、2026年6月27日(土)の朝に、名古屋の南海上で台風7号と8号が合体すると予想しています。
その様子は、「8号は左回りにバラバラになり7号の北側を回って合体する」そうです。![]()
※Geminiが生成した予想図
◆ChatGPTの予測は吸収
一方で、ChatGPTは2026年6月27日(土)の21時に「台風8号は7号に吸収される」とあります。![]()
※ChatGPTが生成した予想図
ふたつのAIとも、台風8号は消えて台風7号に取り込まれる、と予測しています。
ただしこれらの予測図は問題もあります。台風7号が8号と合体する時の位置が、それまでの進路から大きく南にずれています。台風が瞬間移動するはずがありません。この点をAIに指摘すると、位置関係の誤りは認めるもののやり直しても改まることはありませんでした。
おそらく「藤原の効果」の現象を画像として孫引きするだけで、空気の渦(台風)、気圧、温度など気体の流体力学の演算は行っていないのでしょう。
天気の計測データがあり、天気予報の数式も揃っています。これだけ材料が揃っていながら「その演算はできませんと言えないAI」の残念な実力が確かめられました。
やはりまともな天気予測をフリーのAIに期待するのは筆者の頭と同様、荷が重すぎたようです。
人間の頭脳を上回り始めた(といわれる)AIです。しかし彼らにも計算できず、生成失敗を指摘されても修正できず、回答不能なテーマがいくらでもあります。図らずも「藤原の効果」がこのことを証明する、とても有意義な機会となりました。(水田享介)
※(注意)
予報士の資格がない個人が天気予報を提供することは法律で禁じられています。筆者は「藤原の効果」がどのように出現するか、もしくは出現しないかをAIに予測させることに限定しています。