普通の本屋を続けるために
2023年08月17日
第8回・続ける仕組み

前回は取組みを広める仕組みの紹介をさせていただきました。
今回は広めた取組みを続ける仕組みの話をしていきたいと思います。
今回は8回目。8という数字を横から見ると、に続けていく仕組みです。


【続ける仕組み】

ここで不可欠なのは、チェックの仕組みを作ることです。
ある時、以前取り組みをご一緒させていただいた店舗に足を運んでみると、当時の担当社員が変わったことで全くやらなくなってしまいました。
「この取り組みは継続しているけどその取組みはやめてしまいました」
「えっもう全然やってないですよー」
ということです。

こうなったのは
・人がいる/いない
・時間が経つ/経たない
・やる気がある/ない
・能力が高い/低い
......ではなく、続けるためのチェックの仕組みがないからです。

生産性が高い状態を維持している担保として、3つの指標を用いてチェックしています。それは
品出し標準時間に対するGAP時間
モデル投入人時に対するGAP人時
臨店チェックによる点数化
です。ここからはその内容を具体的にお伝えしていきます。


【品出し標準時間に対するGAP時間】

店舗では毎日「品出し朝礼フォーマット」を運用して品出し朝礼を実施しています。
そのフォーマットには、品出し作業の標準時間に対するGAP時間が集計されています。
集計シートを確認すると一目瞭然で、標準時間を達成しているかどうかがわかります。ここをチェックしています。
書店の仕事はおおよそ40%が品出し作業(自社調べ)です。
レジを除くと一番割合が高い作業なので、
品出し作業が生産性高く行えていないと他の作業や全体の生産性に大きな影響を与えます。毎日記録をし、毎月送ってもらっています。

201511月に最初の店舗が品出し時間記録を開始しだして、20167月から全店で記録開始しているので、もう5年ほど品出し時間の記録をしてもらっています。恐れ入ります......


【モデル投入人時に対するGAP人時】

これは「投入人時を適正化しよう」という仕組みです。
適正な投入人時は
「平均の入荷数に対して標準時間を掛け合わせた品出し作業の人時」と
1時間ごとのレジ通過客数に対してのレジへの投入人時」
をベースに作成しています。
そこに、
「定期購読や客注商品の管理作業などのレジ付帯作業時間」
「発注やメンテナンスや売場変更など、売上に繋がるような作業である正味作業時間」
「開閉店や掃除など運営面での作業時間」
を加えて決めています。

これを平日と土曜日、日曜祝日休配の3パターンで作成し、それぞれに適正人時を定め、
月間の総投入人時でGAPがあるかをチェックしています。
人員の入れ替わりや部門間の異動などで、日々変化がある店舗の作業の観点から見る適正な投入人時を保っていこうとする仕組みです。

こちらの仕組みも、作り上げ運用して4年目に突入しています。


【臨店チェックによる点数化】

朝から店舗に入り、作業のチェックをしています。
いちばん大事なのは、定めている作業標準の運用をチェックすることだと思っています。
そして「チェックしに来るからやる」という、健全な動機の元に臨店しています。
作業標準は、どこかのお店の誰かがやっている身体の動かし方です。

マニュアルを読んで頭で理解していることも大事なのですが、身体の動かし方で生産性高い状態を示すことを目指したいと思っています。

チェックして、改善課題を提示して次回までに改善をしていく、のサイクルを回したいのです。

現場は忙しいですし
「環境や人の変化で、昨日までできていたことができなくなる」
ということは数知れず経験してきました。
臨店してチェックし、その中で話を聞かせてもらうことでリブートの機会にしてもらっています。
点数化することで推移がわかり、改善されていることが一目瞭然です。
みんなの頑張りが可視化され、称賛につながることが継続する秘訣なのかもしれません。


【改善活動を続けるために】

点数を付けるのは、横並びで比較したいわけではありません。
チェック項目、つまり生産性が高い作業を開示することによって、維持発展していきたいと考えています。
基準があれば良し悪しが分かりやすく、そこに議論が生まれてきます。

「この手順の方がより良いのではないか」
「このやり方の方が時間短縮に結びつくのではないか」
「この管理方法の方が、ミスもかける時間も少なくてすむのではないか」

そのような意見は大歓迎です。
拾い切れていない、まだまだ見つけられていない現場のノウハウを見つけにチェックに行っている側面もあります。
いわばボトムアップ型の改善活動が、始まっています。

生産性向上のプロジェクトに、メンバーとして作業の第一線で活躍しているスタッフリーダーの皆さんに参加してもらっています。
皆さんの協力を得て、新たな作業標準を作成すべく、議論し、調査し、仮設立てて検証している毎日です。

メンバーの皆さんに伝えているのは
「無意識に行っている作業を、生産性の観点でちょっと意識的に作業を俯瞰してみてください」
ということです。
みなさんも是非、ちょっと意識的に毎日の作業を俯瞰して見てみてください。

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