「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年03月27日
[372]旅客機の離着陸に客席の窓のシェードを上げる理由とは

 航空便をよく利用する方はご存じだと思います。航空機が離着陸する際、客室乗務員(CA)が窓のブラインド(シェード)があがっているか客席を見て回っている事を。

 ではなぜ、離着陸時には窓のシェードをあげておく決まりなのか。規則のようではあっても、なぜCAは小さなシェードの開け閉めにこだわるのでしょうか。

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飛行機の離着陸時にCAが窓のシェードを開けてくださいと言う理由
 飛行機の離着陸時に、フライトのキャビンアテンダントが窓のシェードを開けてくださいと乗客に頼む航空会社があります。それは、夜間飛行の乗客を起こすためでも、次のフライトに備えているわけでもなく、安全のためなのです。
 乗務員がシェードを開けてくださいと言うのは、飛行機から脱出する必要が生じた際に、乗務員に外の様子が見えるようにしておくためです。飛行機事故の大半は、離着陸時に起きるので、その時に備えておくのです。
Yahoo!JAPANニュース/lifehacker 原文/訳:和田美樹 2017年3月19日掲出)

Why Flight Attendants Ask You to Raise Your Window Shade During Take-Off and Landing
Heather Yamada-Hosley(原文:和田美樹)

 筆者は航空会社で安全運行業務(Flight Simulator部門)を担当していましたのでわかっていましたが、このニュースのコメント欄(ヤフコメ)を見る限り、その理由をご存知の方は少数派のようです。

 着陸の様子を乗客の皆さんに楽しんでいただくために、CAはシェードを開けるよう促していたのではなかったのです。純粋に安全上の理由でした。

 この記事に付け加えるなら、機長は旅客機の先端のすぼまった密室(操縦席)にいますから、たとえ後ろを振り返っても機体の状態を目で確認する事はできません。
 ましてや緊急時のパイロットは、機のコントロールや計器チェックで後ろを振り返っている余裕は一秒たりともありません。

 万が一、機体の破損や火災が発生した場合、どの非常口が使えるのか、機体のどちら側に乗客を避難させると安全なのか。瞬時に判断するには客室にいるCAの目が頼りになるわけです。客席の窓はそのためにあるものです。

 というわけですので、乗客の皆さんはご自身の安全のためにも、CAさんの案内には耳を傾けてくださいね。(水)


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