「できる!」ビジネスマンの雑学
2018年11月02日
[609]ゴーゴーカレー、名店の味引き継ぎます

 個人経営や家族経営の小規模レストランは、チェーン展開の大手にはない独特の味付けや時に採算度外視のボリュームで、わたしたちお客の胃袋をがっつりつかんでいます。

 みなさんもそんな店のひとつやふたつは心にキープしていることでしょう。

 ところがこうした「街の名店」は後継者が見つからないと、たとえ繁盛していてもあっさりと廃業してしまうケースが増えています。その名物レシピと共に。

 筆者が指折り数えると洋食屋二軒、ラーメン屋一軒、寿司屋二軒、蕎麦屋二軒、神保町天ぷら屋チェーンと、この数年だけでもかなりの数に上ります。このなかには昼時ともなると三十分から一時間待ちの名店もありましたから、採算の悪化が原因とは考えられません。

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※復活した「二郎/小金井店」の野菜ラーメン


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※一度は閉店したが、この夏復活した「笹塚ロビン」のミートソーススパゲティ

こうした問題は地方都市で顕在化しています。

[473]「絶メシ」って何だ。高崎市の取り組み
(当コラム 2017年11月24日掲出)

 戦後の復興期に創業し、高度成長期の若者の胃袋を支えてきたはずの名店ですが、腰の曲がったご老体でいつまでも調理場に立ち続けることは不可能です。

 そこに立ち上がったのが、カレーチェーンを展開する「ゴーゴーカレー」です。

ゴーゴーカレー 後継者難の全国名店を公募 味守りたい
 全国73店舗を展開する金沢カレーのチェーン店「ゴーゴーカレーグループ」(東京都千代田区、宮森宏和代表取締役)は1日、後継者不足に悩む全国のカレーの名店を公募すると発表した。応募のあった店を同社が審査、個別交渉で継承するかどうかを判断する。公募には、転職支援サイト「ビズリーチ」(東京都渋谷区、南壮一郎社長)のオンライン新サービスを利用する。宮森氏は「おいしいカレーの名店を引き継ぎ、その味を広めたい」と事業承継を呼びかけた。【高山純二/統合デジタル取材センター】
毎日新聞 2018年11月1日掲出)

 ゴーゴーカレーが引き継ぐのはカレー屋さん限定のようです。しかも今後も「味や店舗名を引き継ぐ「ブランド継続型」の事業承継を拡大しようと、新たなカレー名店を公募」(前記事より引用)を続けるそうです。懐かしい味が守られていくのはうれしいものです。

 天ぷら、うなぎ、ラーメンなどもこうした試みは可能だと思います。できれば飲食店以外の事業でも、たとえば花屋さん、本屋さんなどでも後継者探しのシステムを作ることはできないものでしょうか。(水田享介)

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