スマホ登場以前の2000年代まで、筆者は10個以上の電話番号を記憶し、アドレス帳なしで「ジーコジーコ(ダイヤル式黒電話)」、「ポチポチ(ボタン式電話)」と電話をかけていました。
いまや電話は、スマホ画面の名前や会社名をタッチするだけ。そのおかげか昔はよく掛かってきた「電話のかけ間違い」もなくなりました。
電話番号にメールアドレス、住所さえもスマホで管理できますから、便利で安心・・・。地図やニュースを見ながら電話もできて「オレって有能?!」
はたしてそうでしょうか。
若年層も注意!「人や物の名前が出てこない...」
もしかしたら"スマホ認知症"かも...
原因は「スマホの使い過ぎ」?【Nスタ解説】
(TBS NEWS DIG 2025年5月6日)
このニュースでは若者の間で人や物の名前が思い出せない現象が起こっていると紹介しています。20代ならいくらでも憶えられそうなのに・・・。その原因とはなんとスマホの使いすぎ!
スマホが原因で引き起こされる一時的な記憶トラブルを「スマホ認知症」と呼ぶそうです。![]()
ひと昔前は、名前や商品名をど忘れしたり忘れ物をすると「ボケたか」、「認知症か」と揶揄されたものです。
最近では「もの忘れ」という穏やかな言い方となり、「もの忘れ外来」なる医院も増えて世間の風当たりも幾分かは緩やかになりました。
「スマホ認知症」と「もの忘れ」はまったく違う症状なのでその対処方法も異なります。
スマホは便利なツールです。大量の情報を短時間で次々とみることができます。しかし、度が過ぎて働き過ぎた脳はそれ以上は受け付けられず、見たはずの情報も想い出すことすらできなくなる・・・それが「スマホ認知症」です。
スマホ画面から大量の雑多な記憶を一度に詰め込んだ脳は、そこから必要な情報を引き出すことができなくなり、情報は脳にあるがそれを言葉にできない、思い返せないといったもの忘れ症状が現れます。
脳の記憶方法の仕組みにより、紐づけられた記憶や定着した記憶でなければうまく活用できないこととも関連があると言えるでしょう。
スマホを見ることは、情報収集なのか、娯楽なのか、それともただの惰性で見ているだけなのか。曖昧な状態でスマホを使い続けることのあやうさが引き起こしていると専門家はみています。
ただそうした使い方もスマホの良さであり特長ではありますが・・・。
ニュースではスマホは目的を持って主体的に使い、脳を疲れさせないよう警告しています。
「スマホ認知症」は脳自体の老化でおこる「認知症」とは違い、改善可能な症状です。まだ若いのにもの忘れが起きているという方は「スマホ認知症」を疑ってみてはいかがでしょうか。(水田享介)