その昔、昭和アイドル全盛の頃、香港からアイドル候補の少女が日本にやって来ました。
中華圏で育った彼女にとって、突然始まった日本生活に戸惑うことも多かったそうですが、一番驚いたのは初めて日本の公園に行った時でした。
公園には沢山の鳩がくつろぎ、来園者からエサまでもらっていました。彼女はその光景に困惑しつつこう思ったそうです。
「なぜ日本では誰も鳩を捕まえないのかしら。あんなに太っておいしそうなのに・・・」
日本では食べないのに外国では食べるという食材(?)はたくさんあります。それは食習慣の違いにすぎず、大騒ぎするほどではありません。その国の中だけで慣習化していたこれまでは。
数年前から東京都内のあちこちでさまざまな生き物が大量に捕獲される事件が起きています。5年前の夏、セミの幼虫や成虫が食用目的で獲られているとの報道を筆者は見つけました。
「公園のセミ食べないで」どういうこと?
今月に入って、区民から『食べるために大量にセミをとっている人がいるようだ』といった苦情が数件、寄せられたんです。(杉並区みどり公園課担当者)
杉並区だけでなく、東京 荒川区や埼玉県川口市なども同様に、食べるために昆虫を捕獲しないよう呼びかけた・・・。
(NHK ライフチャット 2020年8月31日)
最近では注意喚起では効果がないことがわかり、禁止の通告や罰則付きの法律の整備が進んでいます。
セミの幼虫「採取禁止」の張り紙 都内の公園、食用目的で乱獲か
中国語でも注意喚起
都内の公園でセミの幼虫が乱獲される事案が相次ぎ、公園管理者が「採取禁止」を呼び掛ける張り紙を掲示した。
昨夏には、管理会社の警備員が夜間巡回中に中国人とみられる数人が園内でセミの幼虫を大量に採集しているのを確認した。園内の動植物の採取が都条例で禁止されていることを伝えたところ、「日本語が分からない」「何でとったらダメなのか」と開き直られた・・・。
(産経新聞 2025年7月13日)
一方、海沿いの護岸ではカキ、アワビ、アサリなどの貝類などが根こそぎ乱獲され、あとには貝殻だけが大量に放棄される事例が相次いでいるそうです。
止まらない中国人の密漁...「捕まえてみろ」
伊勢海老やアワビなどの"漁果"をSNSで自慢
伊勢海老にアワビ、天然記念物のヤドカリまで――。今、日本各地の海では、中国人による密漁・乱獲が止まらない。行政や漁業関係者が頭を悩ませるなか、さらにその方向性が「進化」・・・。
(週刊SPA!編集部 2024年11月29日)
乱獲しているのが外国人ということで、恐らく彼らの出身地では当たり前の行動なのかもしれません。
日本人は野にあるものを勝手に獲る行動には抵抗感が強かったと思います。しかし利にさとい外国人からみると、誰の所有でもないこうした生き物や海産物が目の前にいたらどうでしょう。ましてやそれを母国では食べていた場合・・・。食べ物が落ちている!それを拾えば得する!盗みではなく自分が採ったものを食べたり売ったりして何が悪い!
そう思うのはその人にとっては自然のことかもしれません。
食料になるしお金もになると気付いた人が、早い者勝ちで獲るのは当たり前という考えです。
先日は、販売目的で天然記念物のヤドカリを大量捕獲する外国人が逮捕され、日本でもようやく社会問題化してきました。
中国人3人の大量密猟容疑・・・天然記念物オカヤドカリを5200匹 取り締まりに限界 奄美大島
業者によると、中国や台湾ではペットとして人気で、1匹2万円で売買されるケースもある。沖縄では、オカヤドカリの密猟による逮捕者が相次いでいる。
(南日本新聞デジタル 2025年5月23日)![]()
※オカヤドカリ
つい数日前(2025年7月16日以前)、SNSのXでは沖縄県のあるビーチでたくさん歩いていたヤドカリが急に姿を消したと写真がアップされていました。この事件はまだ報道されていません。
「自然界で勝手に繁殖した生き物は誰が捕獲しても罪にはならない」-こうした考えに対抗するルールも法律もこれまで日本にはなかったといえます。
「自然はみんなのもので大切にしよう」という日本古来の考え方により、日本の自然が保たれてきた側面が大きかったからです。
だからこそこうした考え方を知らない外国人には取り放題になるのは目に見えています。
今年に入り、奄美大島の複数の島で昆虫捕獲用のトラップがいくつも仕掛けられていました。なかには捕獲を禁止されている国立公園の中という事件性の事案も含まれています。
違法わな繰り返し設置 悪質として通報、情報提供呼び掛け 奄美市笠利町
(南日本新聞デジタル 2025年5月23日)
国立公園内に違法な昆虫採集わな、警告も無視 環境省が奄美署に通報
(朝日新聞デジタル 2025年7月17日)
少子高齢化がすすむ日本社会はたくさんのお金をもたらしてくれるインバウンドと、労働をになってくれる外国人労働者を必要としています。だからといってやみくもに流入を認めてしまうと、これまで構築された日本社会のルールは破綻してしまいます。
そうならないうちに早急なルール作り、必要なら罰則付きの法整備も求められています。
これまで営々と培ってきた安全な日本社会、安寧な心持ちで暮らせる日本社会をどうすれば継続できるのか、どうすれば守れるのか。
そうした願いがある一方で、外免切替などのように過度に外国人を優遇する政策が進んでいます。
政治や行政には不作為による社会不安が起きているとの疑念が日本社会の中に渦巻いていることを、政治家を志す方々は汲み取って頂きたいですね。(水田享介)