「できる!」ビジネスマンの雑学
2025年10月10日
[1032]国難だった外免切換、ようやく厳格化

 ここ数年、道路交通マナーは悪化しており、特にクルマや電動バイク系の法規違反が増えているように感じます。

 筆者の住む東京郊外では信号無視のクルマが多く、出歩く際は左右、後方を常に確認していないと身の安全が図れません。

 先日も信号機付きの横断歩道で赤信号を無視したクルマが、横断する人の目の前を減速することなく走り去りました。

 また、赤信号であってもかまわず左折するクルマも見かけます。これは一部の国では認められたルールですが、日本でこうした走り方をすると歩行者との衝突は避けられず、大変危険な行為です。
 運転していたのはおそらく外国人ドライバーでしょう。

 なぜこのような走り方をするクルマが増えたのか。筆者の考えですが、「外免切換」制度にあることは明かです。一昨年から「筆記試験が10問だけ、旅行者でもすぐに取得可能、日本語の学習不要」など、免許取得のハードルが最低限まで引き下げられました。

 この結果、どういうことが起こったでしょうか。

 昨年、筆者が東京都の府中免許センターに行くと、大勢の外国人が列をなしていました。日本語がわからない外国人たちは視力検査の意味を理解せず、検査業務はしばしば中断。引率か通訳らしき人間が間に入ってもいっこうに列は進みませんでした。

 こうした実情は2024年から報道されていました。

"国際的価値高い"日本の免許が欲しい!
国人殺到で話題になった「外免切替」の実情
昨年夏(2023年夏)頃から中国のSNSで「日本の免許をゲット!」「たった5日で取れた!」など中国人による投稿が目立ち始めた。これらを可能にしたのが「外免切替」という、外国の免許を日本の免許に切り替える制度である。驚くことに在留カードがなくても住民登録がなくても観光ビザとホテルの住所で申請が可能となる。
36krjapan 2024年10月31日

「外免切替」の外国人10年で倍増...
海外SNSに「日本の免許簡単に取れる」
 男性は中国・西安出身。...日本語を話せないため、通訳の女性(62)を伴い、視力検査などを受けて筆記試験は合格した。筆記試験は中国語にも対応し、2択形式で10問中7問に正解すれば合格...。
読売新聞オンライン 2025年04月16日

25101001.jpg
※免許証のイメージ

 免許取得制度に安易に手を付けたばかりに、従来では考えられないような交通法規違反の事故が増えていることは火を見るより明らかです。

 このような状態が2年半も続いて、ようやくこの10月から免許取得ルールが見直されました。

外免切替が厳格化「問題が難しくなった」外国人から戸惑いの声も
住民票の提出義務化、試験内容も大幅見直し
知識確認では、イラスト付きの問題10問から、イラストなし問題50問に変更。合格基準となる正答率は70%から90%に引き上げ...。
OBSオンライン 2025年10月8日

 当然の厳格化だと多くの人は思うでしょう。しかし、受講者の外国人の声を聞くと...。

(外国人男性)「問題が難しくなったので交通ルールを勉強しなければならない...。」
(外国人女性)「4月から大分に住んでいます。大分は運転が必要。外免切り替えは外国人にちょっと難しいと思う」
(前出記事より引用)

 日本人の免許取得は高額の講習料金と長い時間が掛かるのに、なぜ外国人には甘くしたのか。このような制度は誰がつくったのか。

 私たち日本国民が著しく損害を受けた外免切換の改悪は誰が主導したのか。そして2年半も続いたのはなぜか。その原因に蓋をしたまま再びルールが変更されたましたが、その経緯はどうなっているのか。誰ひとり、答えようとはしません。

 大手マスコミも結果を伝えるだけで、この問題に関わったはずの政治家や政府機関に取材することなくいっさい触れようとはしません。これらの疑問は置き去りにしたまま、謎だらけのルール変更でした。

 ただし、ひとたび発行されたこの期間の免許証が失効することはありません。日本の交通ルールを知らないまま、日本の道を走り続ける外国人はかなりの数に上ります。
 当分の間、私たち歩行者は周囲を警戒しつつ外出するほかなさそうです。(水田享介)

コメントを書く
お名前
URL
コメント
書籍購入はこちら 語学音声アプリ 公開中 閉じる