毎月定額料金を支払うだけで、高額な機材やサービス、高価なアプリを使えるサービスが「サブスクリクション」、通称「サブスク」です。品物やアプリを所有するのではなく、その使用ライセンスを期間限定で持つ契約です。利用者の懐にはやさしいサービスとして、ネットサービスだけでなく、飲食や家電、クルマなど様々なジャンルに広く普及しています。
IT業界でいえば、アドビ社(Adobe)の「Adobe Creative Cloud」が有名です。学生向けのプランでは月に五千円足らずで20~30ものアプリが使い放題となります。
しかもプロの現場で使っているアプリばかりですから、クリエイティブ業界を目指す学生にはこれ以外の選択肢は考えられませんでした。(良きにつけ悪しきにつけ、ですが)
アドビ・公式サイト
新入学の学生にターゲットを絞った広告がいっぱい
https://www.adobe.com/jp/
ところが先日、あのIT大手のアップルが驚きのサブスクプランを発表しました。
アドビのサブスクに真っ向勝負を仕掛けるプランを打ち出したのです。
Adobe潰し!? アップル、月額1780円のクリエイター向けサブスク
「Creator Studio」1月29日提供開始
Appleは1月13日、動画編集、音楽制作、画像編集などのクリエイティブツールを網羅するサブスクリプションサービス「Apple Creator Studio」を発表した。1月29日からApp Storeで提供開始し、価格は月額1780円、年額1万7800円。学生・教職員向けには月額480円、年額4800円の割引プランも用意する。
(ASCII.jp 2026年1月14日)
Apple、インスピレーションに満ちた最もパワフルな
クリエイティブアプリのコレクションであるApple Creator Studioを発表
(Apple 公式サイト)![]()
※「Apple Creator Studio」告知(画像はアップル公式サイトより引用)
筆者がゲーム会社や専門学校等でクリエイティブコースの講師をしていた頃、「Final Cut Pro、Motion、Compressor」などは外すことのできない映像編集アプリでした。この三本が入っているだけでもサブスクの価値があります。それが一般で月額1,780円、学生なら月額480円。
これに加えて、音楽制作アプリ、Keynote、Pagesなどのコンテンツ制作アプリでは最新のAI支援機能が加わるスキのなさです。![]()
※アプリのアイコン(画像はアップル公式サイトより引用・編集加工)
おそらく現役で活躍しているプロなら、アドビは外せないけれどアップルのサブスクも入っておきたいと考えるのが自然でしょう。そう思わせるだけの高品質のアプリと価格破壊力が備わっています。
これは筆者の個人的感想ですが、制作中の細かな編集作業やちょっとした操作上の機微をはじめ、クリエーターの制作スピードや言葉にならないセンスなどについてこれるか、といったクリエイティブツールの基本性能は、今もWindowsベースのアプリより、Macのそれのほうが一枚上と思います。しかもアプリの開発元がMacを開発しているAppleですから、信頼性の高さは言うまでもありません。(あくまでも筆者の経験談です)
ところで、アドビ社はこれまで対抗アプリが登場すると突然、サービスの大盤振る舞い、価格の見直し、特売セールなどを行うのが常套手段でした。そうして競合他社と徹底的に戦い、時には競合会社をアプリごと買い取ることすらありました。
その結果がいまの独占状態です。![]()
※何かの偶然?Adobe社のサブスク半額セールは1月29日(木)まで。(Adobe社公式サイトより引用)
アップルのサブスク、「Apple Creator Studio」の開始は1月29日(木)です。
IT界の巨人、アップルの挑戦を受けたアドビは、クリエイティブ市場でこれまでの独占を保てるのでしょうか。
2026年早々に始まった「アップル VS アドビ」のサブスク合戦、しばらく目が離せませんね。(水田享介)