「できる!」ビジネスマンの雑学
2026年03月04日
[1085]これ以上は減らせない?「みどりの窓口」

 出張や旅行にJR東日本を利用している方ならもうご存じでしょう、「みどりの窓口」がどんどん消えていき、いまや主要駅にしか残っていないことを。

 筆者が最寄りのJR駅から「みどりの窓口」が消えていることに気付いたのはつい3年前(2023年)。この窓口削減が決定したのはさらに前の2021年でした。

[822]令和に消えゆく時刻表とみどりの窓口
 新幹線の切符購入ですぐに「みどりの窓口」を思い浮かべた筆者は、すでに過去の人になっていたようです。
(当コラム 2023年08月25日)
https://www.asuka-g.co.jp/column/2308/012376.html

 窓口削減の背景には、高機能の自動券売機の誕生があげられています。それ以外にもコロナ禍で売り上げが大きく落ち込んだため、経費カットのひとつに窓口削減が上がったようです。

 ここでこれまでのJR東日本の動きをみてみましょう。

<<「みどりの窓口」削減の流れ>>

1)2021年5月発表-7割削除計画
 2025年までに440駅⇒140駅に減らす
 ・首都圏は231駅から70駅に7割削減
 ・地方圏は209駅から70駅に7割削減
  ↓

2)2024年には、440駅⇒209駅まで削減したが...、
 ・残存の「みどりの窓口」が大混雑。社会問題化!
  ↓

3)2024年5月、「みどりの窓口」削減を凍結
 ・209駅を当面の間、維持すると発表
 ・繁忙期には臨時窓口を開設

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※イメージ

 JR東日本が窓口削減に踏み切ったのにはそれなりの根拠はありました。

JR東日本「みどりの窓口」設置駅を7割削減へ
 2020年度の実績では、近距離きっぷ購入以外の利用で、みどりの窓口を利用する客の割合は、全体の2割にとどまっていました。
 「みどりの窓口」の縮小の代わりに、JR東日本では「話せる指定席券売機」の導入を進めています。これは券売機でインターホンを通じ、オペレーターが遠隔で、きっぷの購入などの操作を利用客へ案内...。
乗りものニュース編集部 2021年5月11日

 ひとつがみどりの窓口利用が切符購入の2割に過ぎないという現実。もうひとつが「話せる券売機」で同等のサービスは維持できるという思惑。これらを考えて窓口削減に踏み切ったようです。
 理屈としては正しかったはずが、うまくいきませんでした。押し寄せる客はひとりひとりが異なる切符や定期券を求めており、「対面で切符購入」するしかなかったのです。当時の券売機は期待を下回る実力不足でした。

 筆者が2023年当時の券売機を操作した感想は、画面では購入に必要な全工程のうち、操作中の指示しか見えず、切符購入までの全体が見える仕様ではありませんでした。途中でひとつでもつまづくと最初からやり直すか、購入を諦めるしかなさそうな愚直なオペレーションでした。

 いちばん怖いのは、お金を投入した後に間違った切符が出てくるかも知れないという恐れや、購入直前までたどりついてから、この機械では買えませんと言われることです。また、予想した旅費と大きく異なる金額を提示されても相談する相手はいません。旅行プランを検討させてくれないのです。

 対面販売で切符を手配していた頃は、誰もが鉄道のプロの駅員さんと相談しながら日時や列車番号、座席まで決めていました。券売機にはここまでの細かなサービスは望むべくもありません。

 最新のニュースでは「話せる券売機」が格段の進歩をしたことを紹介しています。

なぜJR東日本の「みどりの窓口」は急減した?
「方針凍結」と"話せる券売機"の現実
駅の「みどりの窓口」が姿を消し、指定席券売機への置き換えが進んでいます。かつては窓口でしか買えなかった学割なども、実は機械で買えるようになっているのです。
乗りものニュース 2026年2月25日) 

 今回(2026年春)の話せる券売機では、これまでの不安が解消されたのでしょうか。それを確かめるには券売機の前に立つほかなさそうです。

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※イメージ

 ここで筆者(※)から提案があります。パソコンやスマホで動作する「話せる券売機」シミュレーターをネットに公開して、お客様に何度でも練習してもらってはいかがでしょうか。自分に必要な切符がどんな割引でいくらで買えるのかが事前にわかるだけでも大きな価値があります。
(※筆者は航空業界でフライトシミュレーターの設計を担当)

 これまで切符の値段は、割引適用、割引期間、経路、距離などを旅行客自身が計算して見積もっておくことが当たり前でした。これは筆者個人の見解ですが、今のJR券売機は昔からある「客は自己責任で切符を差配してJRは発券するだけ」という国鉄時代の顧客対応と変わっていません。

 民間の乗り換え案内はありますが、必ずしも正確ではありません。また切符購入にはつながってはいません。

 切符発売元のJRが運賃をシミュレートしてくれるだけでも大いに価値があります。その結果をQRコードで出力して実物の券売機で読み取って、切符を発行するシステムにつながればいいだけです。利用者が自宅で納得いくまで路線や旅費の検討ができるわけですから、これならおそらくうまくいくことでしょう。(水田享介)

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