「できる!」ビジネスマンの雑学
2026年04月13日
[1101]日本のカメラ、「アルテミスII」に採用

 2026年4月1日(現地時間)に打ち上げられた「アルテミスII」は、数々のミッションをこなし、4月10日に無事、地球に帰還しました。

 今回のミッションは、人類が到達した最遠距離を更新、月周回軌道から月の裏側を撮影、地球再突入の方法の変更など、今後本格化する有人月探査のさきがけとなるものでした。

宇宙船「オリオン」が月の裏側の飛行開始、
地球から40万6000km以上離れた場所へ
読売新聞オンライン 2026年4月7日

 「アルテミス計画」では今後もミッションが問題なく進行すれば、2028年にも月面に有人宇宙船を着陸させるとのこと。再び人類が月面に立つ日もそう遠くはなさそうです。

 ところで、今回のミッションで日本製品が大活躍したのをご存じでしょうか。それが「Nikon D5」、「Nikon Z9」という二台の日本製カメラです。

 実は「Nikon D5」は2016年の発売。「Nikon D6」という後継機もあります。しかもニコンのメインフラッグ機はZシリーズに移行しています。10年も昔のカメラがなぜ今回のミッションで採用されたのでしょうか。しかも主要なシーンでは「Nikon Z9」を差し置いて「Nikon D5」がメインカメラとなっています。

 ちなみに今回はスマートフォン、iPhone17(Phone 17 Pro Max)も持ち込まれています。
 Phone 17 Pro Maxの画素数は「4800万画素」。片やNikon D5は「2082万画素」。スペックを重視すれば10年前の一眼レフより最新スマホを選ぶでしょう。「Nikon D5」の重量は、ボディだけで1.4Kgもあります。
 あっ、宇宙空間では重さは関係ありませんでした。

 「Nikon D5」が選ばれたその理由は、並外れた高感度画質を誇る性能でした。常用ISO感度は10万2400。宇宙空間の暗闇に浮かぶ地球や月を少ないノイズで確実に撮影するには「Nikon D5」が最適でした。

なぜアルテミスIIミッションのカメラには
旧世代一眼レフの「Nikon D5」が採用されたのか?
GIGAZINE 2026年4月7日

26041301.jpg
※「Hello, World」/Image Credit: NASA/Reid Wiseman
(Artemis II Journey to the Moon より)

 この写真以外にも数多くのショットが公開されています。

Artemis II Journey to the Moon
https://www.nasa.gov/gallery/journey-to-the-moon/

Artemis II Lunar Flyby - NASA
https://www.nasa.gov/gallery/lunar-flyby/


 上記の地球の写真では、左側に茶色の大陸が写っています。左下に接するように細長くあるのがイベリア半島(スペイン)だとすると、ジブラルタル海峡を挟んだ大陸。それはアフリカ大陸しかありません。茶色の部分は北部のサハラ砂漠あたりのようです。北極が下、南極が上に撮影したようです。

 アフリカ大陸の向かい、右半球にある三角形は、何でしょうか。筆者は最初は南米大陸の南端のマゼラン海峡かと思いました。
 しかし、そうするとアフリカ大陸と南米大陸の間には南極大陸があるはずが...、ありません。

 AIにマウスで回転できる地球儀を即席で作らせて、位置合わせをした所、AIの判断も二転三転した結果、ようやく判明しました。

26041302.jpg
※AIが1分で生成した回転する地球儀

 写真「Hello, World」は、アフリカ大陸の西側と南米大陸のブラジルの東側が同時に見えている状態で、真ん中が大西洋の南側、「南大西洋」だとわかりました。

 アフリカと南米はこの南大西洋を挟んだ間が最短距離となり、サン・テグジュペリが航空郵便に従事していた1920年代には、とても重要な航空路でした。彼の代表作『夜間飛行』ではこのルートを題材としていたと記憶します。

 それを知ったうえで、この写真、「Hello, World」を見返すと、感慨深いものを感じるのは筆者だけでしょうか。

 NASAはSNS(X)でこの写真と1970年撮影の地球の写真を並べて投稿しています。その意図は何でしょう。筆者にはわかりません。



※NASA 2026年4月4日

 宇宙から撮影した一枚の写真から、カメラの性能、大陸の位置関係、いま話題の海峡問題など、さまざまな連想が広がりました。
 宇宙への関心は地球の問題につながるという発見ができたミッションとなりました。(水田享介)

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