アメリカ対イランの戦闘状態は停戦合意がまとまり、ようやく日常が戻りそうです。
【解説】米とイランの合意、米の支配力の限界示したトランプ氏の戦争が終了へ......BBC国際編集長
この戦争の結果、(アメリカは)湾岸で石油を生産するアラブ諸国との同盟関係が損なわれた。激動の中東において、君主制の湾岸諸国は安定のよりどころだというビジネスモデルは損なわれ、修復するのに今後何年もかかるだろう。
(BBC NEWS JAPAN 2026年6月16日)
今回の戦争では、イランの最高指導者は「排除」されましたが、イラン政権は倒れず、世界の大動脈である「ホルムズ海峡」は封鎖されました。それがために石油不足、ナフサ不足、肥料不足などの不測の事態が矢継ぎ早に発生しました。
結局、停戦合意でなされたことは、ホルムズ海峡を開き、この不測の事態を改称すること。何のことはない、開戦前の2026年2月に戻しただけでした。
しかし、日本では依然として石油不足、ナフサ不足が残り続けています。
大手菓子メーカーでは早々とパッケージの白黒化を発表し、筆者は今週初めに写真の銀色の菓子袋を手に入れました。![]()
※筆者が購入した白黒パッケージ
白黒ポテチ、都内ファミマに ナフサ不安で節約パッケージ
中東情勢の混乱に伴うナフサ供給不安を受け、白黒包装になったカルビーのスナック菓子「ポテトチップス」が17日、東京都内のファミリーマート店頭に並んだ。
(時事ドットコムニュース 2026年6月17日)![]()
※シルバーに光り輝き、文字は読みにくい
この地味な包装を「戦時中」や「戦時下」と呼ぶマスコミもありますが、80年以上昔の戦争を肌身で覚えているマスコミ人はもういないでしょう。それでも世界のどこかではまさに戦時中に他なりません。ガザで、キーウで、テヘランで戦時下は継続しています。日本でそれを感じることはなかったのに、菓子袋ひとつが白黒になっただけで戦時下とは、人間の不条理をよく言い表しています。
また、広告業界の一部では、白黒パッケージは売り場ではかえって目立つから新たなマーケティング機会という発言すらありました。
筆者がスーパーでこの銀包装を見たところ、違う商品でも一様に銀色に輝いて見えて、目的の商品が探しづらくなっています。ポテトチップスは味付けの違いをすぐに見分けられないため、買い間違いにつながりそうです。
しかし、菓子メーカー側に立ってこの問題を考えると、この白黒化は避けられない問題だったことが分かります。
ポテトチップスの一日の生産数は約300万袋、年間9億2千万袋(2024年度)だそうです。ジャガイモ換算では国内生産量の約18%の使用量と推定されています(※筆者のネット調べ)。
「よくいただくご質問」-製造・製造工程
2024年(令和6年)度 年間生産袋数および1日の生産数 はこちらです。
※図版はリンク先にてご確認ください。
(カルビー株式会社 2025年(令和7年)6月更新)
毎日300万袋分のポテトチップスは、フライ調理のあとすぐに封入しなければ、しけって商品にはならないでしょう。いっときも待てない封入作業に包装用材料が不足すると、生産ラインは停止します。生のポテトから袋詰めまでにかかる時間はたったの20分。
ポテトチップスは食べ始めると止められませんが、生産ラインだって止められません。
「工場見学 THE MOVIE」
工場の中をムービーで紹介!
(カルビー株式会社)
戦争当事国ではない現代の日本で「戦時中」という言葉が蘇りました。そして、白黒の包装紙の出現により、不安感、不自由さ、閉塞感を肌で感じた人も多かったでしょう。
世界の経済活動を止めた今回の戦争は、いまだにどの国も石油資源に頼っていること、いったん資源が止められるとその回復には長い時間を要することを教えてくれました。(水田享介)