マイクロソフト社では2026年10月26日、全従業員の約4分の1に相当する6万人規模の退職を募る制度をスタートさせました。
マイクロソフト、退職制度「Voluntary Exit Offer」を発表
対象は約6万人とGeekWire
対象は約6万人で、全従業員の約4分の1・・・。年齢や勤続年数の要件はなく、業績も考慮しない。レベル70にはゼネラルマネージャーや一部のバイスプレジデントが含まれる・・・。
(ビジネス+IT 2026年10月28日)![]()
※イメージ(AI生成)
全社員の4分の1はかなりの規模になり、場合によっては企業風土が変わる規模と言えるでしょう。
過去の従業員数を見ると、61,000人(2005年)から128,000人(2014年)に倍増するのに10年近くかかっています。2018年以降は急増して、ここ4年間は22万人規模です。
マイクロソフトの従業員数(2001?2026年)![]()
※出典:Microsoft年次報告書に基づく従業員数データ
コロナ禍によるテレワークの普及、IT技術の発展、それに続いてAI技術の登場などで、IT企業はネット革命の中心的存在でした。
さらに企業規模を拡大するかと思えば、人員削減に舵を切ったのにはどんな理由があるのでしょうか。
削減対象となる部門を見るとその理由が見えてきます。
米マイクロソフト、約6万人対象に希望退職を募集 コスト抑制へ
対象となるのは「AIエクスペリエンス」、AIアシスタント「コパイロット」、財務、人事、ゲーム部門「Xbox」などの従業員で、マーケティング、商業部門、セキュリティーなどの部門の従業員は対象外・・・。
(ロイター 2026年10月27日)
つまり、これまで開発に資金を投じてきたCopilotを含むAI部門、Xboxなどのゲーム部門、Windows及びデバイス部門、財務、人事を削減対象としています。
それもそのはず。サービス別の売り上げを見れば、どの部門がマイクロソフト社の屋台骨なのかは一目瞭然です。![]()
※Microsoftの主要製品・サービス別売上(2026年度)
Annual Report 2026(Microsoft)
https://www.microsoft.com/investor/reports/ar26/index.html?utm_source=chatgpt.com
対象者の職位レベルは70以下となっていますので、日本で言えば部長級までが対象となっています。
ここからマイクロソフト社が描く将来像が見えてきます。まず、データセンターへの設備投資負担はこれからも続くが、収益の柱でもありこれを止めることはなさそうです。
サーバー・クラウド部門は社員を増やさずとも設備の増設は可能ですから、増収増益を狙った規模拡大はこれからも継続するでしょう。
一方でゲーム部門、AI部門は投資効率の見直しが進みそうです。同じことはWindowsなどのOS部門にも言えます。
ただし、Microsoft365(旧Office)の収益性の高さはその動作環境を提供するWindows10・11があってこそ。
今後はWindowsのサポートは継続しながら、昨今のAIを使った不正アクセス、脆弱性攻撃からセキュリティーを維持できるかがカギとなりそうです。
なお、退職の応募期限は12月第1週まで。クリスマス前までに厳しい決断が迫られています。(水田享介)