「できる!」ビジネスマンの雑学
2026年11月04日
[1182]Google(Alphabet)、2026年第3四半期決算発表

 つい先日、マイクロソフト社が全社員の4分の1に相当する早期退職制度をスタートさせました。以下のコラムでこのことを執筆しています。

[1179]Microsoft 6万人削減が意味するもの
 コロナ禍によるテレワークの普及、IT技術の発展、それに続いてAI技術の登場などで、IT企業はネット革命の中心的存在でした。
 さらに企業規模を拡大するかと思えば、人員削減に舵を切ったのにはどんな理由があるのでしょうか。
(当コラム 2026年10月28日)
https://www.asuka-g.co.jp/column/2610/013140.html

 詳細はコラムを参考にして頂くとして、同じ時期にGoogleが四半期決算を発表しています。

Google親会社Alphabetの収益は前年同期比25%増加、
クラウド事業の収益は2倍以上
2026年第3四半期はピチャイCEOいわく「好調」でした。特に検索事業が力強い勢いを見せていて、AIへの投資によって利用が増加・・・。Geminiアプリのユーザー数は10億人に達しており、Googleの歴史上、最も急速に成長している製品となっている・・・。
(GIGAZINE 2026年10月29日)

 売り上げも増加傾向、前年同期比25%増加の1276億ドル(約20兆円)に達したと報告。広告収入は12%増の633億ドル(約10兆3千億円)となっています。

26110401.jpg
※Google Street View 撮影車

 業績好調と発表しながらも、市場の反応は芳しくありません。

アルファベットの時価総額が「約76.8兆円」減少、
米株市場で史上2番目の規模
期待外れの数字を受けて同社の巨額のAI投資に対する投資家の懸念が強まり、テック業界全体に広がる警戒感に拍車がかかった。
(Forbes Japan 2026年10月30日)

 その理由はAIにありました。GoogleのAIは失敗しているわけではありません。その逆で、売り上げも利益もAIは貢献しています。

 Googleのお家芸といえる検索はAIの登場で大きく変わりました。《「AIによる概要」や「AIモード」などの導入で人々の検索体験も変化》して、多様化する検索行動にも適切に対応できていることを示しています。
 また、Googleが手掛けるAI、Geminiではユーザー数が10億人以上、処理量も1年前より4倍増と人気コンテンツとなっています。(GIGAZINE記事より)

 AIを活用した各種サービス、Google Cloud Platform(GCP)(AIインフラ、AIソリューション、コアクラウドサービス)は売り上げは307億ドル、収益は前年比3倍以上の111億ドル(約1兆7千億円)となっています。

 ところがそのAIを支える設備に巨大な投資が求められ続けています。この第3四半期の設備投資額は、514億ドル(約8兆1千億円)に達し、大部分がサーバー、ネットワーク機器、データセンターに割り当てられました。

 収益構造がAIに傾くほどその設備投資は巨大化し恒常化していくジレンマに陥り始めていると言えるでしょう。

 結局、投資家はこうした循環を負の連鎖とみており、株価の低下につながったと言えます。

 マイクロソフト社は大胆な人員削減に舵を切りました。では、Googleはこの難局をどう乗り切るつもりでしょうか。それを予測した記事はまだみあたりません。

 せっかくなので、Google社自慢のAI、Geminiくんに尋ねてみました。

筆者の質問-1:
「サーバー資源に投資を特化した企業は、もはや「IT企業ではなく不動産屋」にすぎない。つまり、AIの進歩はそこで止まる。AIは都合のいいアシスタント、もしくは掃除機か電子レンジみたいな存在になるね。 」

Geminiの回答-1:
《巨額の資金を高度なアルゴリズムや未知の知能の探求ではなく、冷却設備や土地、送電網という「物理的な不動産」の確保と維持に傾斜させた瞬間、テクノロジー企業としての本質は変質します。その行き着く先は・・・

1.「知能の探求」から「インフラの維持管理」への退化

2.家電(掃除機・電子レンジ)化するAI》

筆者の質問-2:
「ではやはりGoogleはAI投資のために、人員削減、特に技術者の退職は避けられないのか? 」

Geminiの回答-2:
《「AIインフラ(CAPEX)への圧倒的投資を回収し、利益率を保つための大規模な人員削減」は不可避の流れとなっています。

1.設備投資(CAPEX)の「トレードオフ」圧力
株価や利益率を維持するためには、最も人件費単価が高い既存の高級エンジニアや専門研究者を削り、その枠を「データセンターのインフラ代と電気代」へ直接スライドさせる財務的インセンティブが強力に働きます。

2.「AI自身によるコード生成と自動化」の皮肉
Geminiなどのコーディング支援AIツールの登場で「ソフトウェア開発・保守・テスト・デザイン」の生産性が劇的に上がり、少数の人間で同じ仕事が回るようになり始めています。
その結果、研究開発フェーズから運用・省人化フェーズへシフトした事業領域から順に、技術者の構造整理や採用抑制が進んでいます。
 AI企業の内部は「知能(ソフトウェア技術者)を削減し、その費用で鉄と電気と半導体(不動産・インフラ)を買う」という構造的転換が起きています。》

 Geminiはこういう言葉で最後を締めくくりました。

《AIを作る側の人間自らが、そのAIのインフラ費用と生産性向上のシワ寄せで現場を去っていくという構図は、もはや避けることのできない現実となっています。》

 ここで注意するべきは、Geminiは質問者の意図を読み過ぎる嫌いがあり、誘導質問に弱く、望まれている回答を先読みする設計のようです。そのため事実とは異なる発言や不確かな未来図を断定しがちです。

 AI技術者たちは自分の首を絞めてまで、効率化優先のAIを開発したいのでしょうか。AI企業が今後、どんなサービスを出してくるのか。筆者はその推移を見守っていくつもりです。(水田享介)

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