「泥まんじゅう」は誰しもが幼い頃、「ままごと遊び」で作ったことがあるでしょう。いやいや、今どきの子どもたちはスマホやゲーム機に囲まれ、お勉強はタブレット。手を汚すような遊びにかまける暇はないよと言い返されそうですが。
とはいえ筆者のように子ども時代がまるまる昭和だった人には、泥遊びは定番でした。泥遊びをすれば自然に、食べ物を真似たごちそうを作りたくなりました。お金のかからない平和な遊びでした。![]()
※お金は不要、プライスレスの泥遊び
ところが少女マンガの世界になると、これが一変!
ある名作マンガでは、泥まんじゅうを食べるシーンが描かれているのです。
その作品とは、長編少女マンガ『ガラスの仮面』(作:美内すずえ)。タイトルだけなら筆者も知っていました。
この泥まんじゅうの回は、女優志願の少女がお芝居のなかで本当に泥を食べてしまうお話です。昭和の少女達なら誰もが知る伝説のシーンと言われています。残念なことに筆者はタイトル以上の内容は存じ上げず、料理番組の「グレーテルのかまど」で初めてこの「泥まんじゅう事件」を知り、「ガラかめ(『ガラスの仮面』の略)」世代に追いつきました。
『ガラスの仮面』 復活の泥まんじゅう
天才的演技力を持つ少女マヤの成長を描いた長編大作漫画『ガラスの仮面』。マヤの女優としての転機に登場する忘れがたいお菓子が泥まんじゅう。マヤの出演する舞台で小道具に用意されたまんじゅうが、泥まんじゅうにすり替えられるという衝撃的な事件だ。
(「グレーテルのかまど」 放送予定:Eテレ・6月1日(月)午後10時)
※NHK 総合・6月8日(月)午前11:05~午前11:30
手に取ったまんじゅうが泥と分かった主人公マヤでしたが、舞台の上ではそれは食べ物。役になりきったからにはもう食べるしかない。お芝居で食べる振りなどできない主人公。
「こんなごちそう食べたことない」とばかりにガブリ。ムシャムシャ、ジャリジャリ、ムシャムシャ、ジャリジャリ・・・。
こんなオノマトペ(擬音語)とともに泥まんじゅうを食べ続ける少女マヤには恐ろしげな笑顔が・・・。![]()
※おはぎのような「泥まんじゅう」
ひとつも怯まない強烈な演技により「泥まんじゅう」が読者にパワーワードとして迫ってきます。
「グレーテルのかまど」はお菓子づくりの番組ですから、もちろん「食べられる泥まんじゅう」を作ってみせることでしょう。
また、番組では「作者・美内すずえさんの泥まんじゅうシーン創作エピソードも。」(番組サイトより引用)紹介があるそうですから、ガラかめファンなら見逃せませんね。
もうひとつの番組の見どころは番組ナビゲーターの瀬戸康史さん。主人公「北島マヤ」が劇中人物になり切った時に見せる「ゾーンに入った表情」を演じてくれるかもしれません。(※筆者の予想に過ぎません)
ところで、肝心の『ガラスの仮面』本編はいまだお話は完結していないそうです。連載開始は1976年ですから、かれこれ50年は経っています。この間、テレビアニメ、テレビドラマなどで何度も放送されてきました。
愛読者の皆さんからは『ガラスの仮面』の連載再開を望む声、完結を待ち望む声が多数寄せられていると聞きます。グイグイと読者を引き込む高い熱量のまま、ぜひともラストシーンまで描き上げていただきたいですね。(水田享介)