「できる!」ビジネスマンの雑学
2026年07月24日
[1141]「村雨さんと日本庭園たしなみ巡り」NHK-BS

 ニュースと天気予報以外、テレビ番組はほとんど見ない筆者ですが、最近、好んで視聴する番組がひとつあります。

 それは庭師・村雨辰剛(むらさめ たつまさ)さんが、ナビゲーター役を務める「村雨さんと日本庭園たしなみ巡り」(NHK BS)です。

「村雨さんと日本庭園たしなみ巡り」
世界が注目!ニッポンのお庭 今、世界が注目する「日本庭園」。そこには歴史ロマンの他、視線誘導や音響効果など様々な仕掛けと職人技が!スウェーデン出身の庭師、村雨辰剛さんと日本庭園を巡りながら、・・・。
NHK BS/プレミアム4K
https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-Q3ZL5QML17?tep=5R3PKWR676

 番組のスタートは2025年2月から。数回分を不定期に放送してきたようで、筆者はこの6月頃からの再放送を毎週視聴する幸運に恵まれました。

 ナビゲーター役の村雨氏は日本で庭師修行を修めた本職の庭師です。この方の案内で日本津々浦々の名園を巡る構成は、わかりやすくまた庭について学びながら庭園鑑賞もできる、一視聴で二度、三度と楽しい体験ができます。

 そして、極めつけが番組後半。それまでスーツ姿だった村雨氏が突然、法被に地下足袋という出で立ちで登場。

 ナビゲーター役の俳優かと思っていたら、立ち居振る舞いは本格的な庭師さん。この豹変が番組一番の見どころでしょう。

 そして裏で控えていた庭付きの庭師さんの指示を受け、庭園をお掃除し、庭石を洗い、時にはせん定まで・・・。庭園を美しく保つとはどういうことか、どれほどの苦労があるのか。そのことを身をもって体現してくれるのが村雨氏なのです。
 まさに「適材適所」という言葉はこの番組の村雨氏のためにあるのですね。

 村雨氏は本当によい親方のもとで修行したのでしょう。どの庭師さんに対しても素直で正直な対応です。そして話す日本語がとてもきれい。また職人同士だからか、庭仕事を共にこなすうちに通じ合う波長が、視聴していてとても気持ちの良いものです。
 これだけはどんなに言葉を尽くしても表現できないものです。

 この番組の最新回はNHK BS で2026年7月22日放送回、京都の「對龍山荘」でした。

「村雨さんと日本庭園たしなみ巡り~對龍山荘」
https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-Q3ZL5QML17/ep/5R3PKWR676

◆放送日程◆
初回放送日:NHK BSプレミアム4K7月20日(月)午後6:30
●再放送
NHK BS-7月21日(火)午後7:00~午後7:30
    -7月24日(金)午後0:30~午後1:00
    -7月25日(土)午前7:30~午前8:00

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※「重要文化財 對龍山荘」

 「對龍山荘(たいりゅうさんそう)」と聞いて「あぁ、京都のあの別荘ね」とピンとくる方は、まずいないでしょう。ここ「對龍山荘」が一般公開を始めたのは昨年の2025年から。それまではオーナーとその関係者しか入れないプライベート空間でした。

 といいながらも筆者は30年以上の昔、デジタル系クリエーターとして、前オーナーの時代にこの別荘を紹介するデジタル作品(CD-ROM)を制作しました。

 主に映像編集、音声、デジタル映像制作でしたが、この庭園のすばらしさがよくわかりました。残念ながらこの作品は非売品で関係者のみに配布されたようです。

 今回の一般公開でも動画は撮影禁止ですから、映像入りのこの作品の価値は今も失われていないと制作者である筆者は考えています。

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※「重要文化財 對龍山荘」

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※「重要文化財 對龍山荘」

 ◆

 この庭園の映像を編集していた時、「心字池(しんじいけ)」、「池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)」という高級な用語をたびたび聞きました。庭園の地図を見たり動画を見たりしているうち、なにか心を引っ張られるような気分になったのですが、「まあ庶民には関係ないや」とその時は仕事ですから、わが心の奥深くにしまい込んでいました。

 数年前からある仕事で「心字池」を調べているうちにハッと気付きました。実家に今も残る池、それが心字池だったのです。

 昨年2025年の春、法事で帰省した折、池の周囲の草取りをしました。岩で組まれた池の骨格は子どもの頃とひとつも変わっていません。築山、石灯籠、舟石、石橋、沓脱石も当時のまま。
 舟石は子どもが2,3人は乗れる大きさ。半分に割ったアボカドのような形で種を取り去った窪みは池で、鯉やメダカの卵を孵していました。温かな舟石に寝そべって足先を水に入れると、小魚がつついてきた懐かしい場所。

 池の水、中島、小滝、槇の並木道はもうありませんが、思い出すことができます。池泉回遊式庭園のお手本通りの設(しつら)えだったことがようやくわかりました。

 実家の庭園を造ったのは祖父で、相当な趣味人だったようです。おじいさん、わたし(筆者)はあなたが残した庭園の仕掛けを半世紀を経て知るとても残念な孫でした。

 庭園は気の向くまま訪れて、散策し眺めて、遊ぶのであればいたって気楽に楽しめます。しかし、庭園にはもうひとつの機能として、何十年も何百年も作庭者の想いを残す記憶装置の働きがあるようです。その種の庭園はまた違った面白さと畏怖とある種しみじみとした後悔を味わえます。

 心字池の掃除が終わり、ふと足許の岩の隙間に光るものを見つけしゃがみ込みました。それは濃紫に輝く庭園の真珠。龍の髯、別名蛇の鬚の実

 筆者が小学校に通い始めた頃、祖父は短い闘病のあと庭に面した座敷で亡くなりました。それから同じ時を経て、実に60年ぶりの「龍の玉」との再会でした。庭園は時に演出もする。(水田享介)

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【関連リンク】
「庭師対談 村雨辰剛×木村央(小石川後楽園 技能職員)」
村雨:僕はなんといってもクロマツの手入れが好きですね。修行していたころは1~2年ハサミを持たせて貰えなった・・・。
仕事は必ず、"まずは安全に、次に綺麗に、最後に速く"この順番で教わりました。
東京都公園協会 2023年6月公開
https://www.tokyo-park.or.jp/special/niwashi-taidan/index.html

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