先日、身内で集まる機会があり近況を語り合う中で、義姉から習い事の茶道(ちゃどう)の話を聞きしました。
なんでも近頃はお月謝の他に「抹茶料」も包むことになっているそうです。
航空運賃に燃料代を上乗せする「燃油サーチャージ」は一般常識ですが、日本の伝統文化、茶道に「抹茶サーチャージ」が登場するとは...。![]()
これを聞いた人は「茶道もビジネス」、「世知辛い話」と片付けそうですが、もうそんなことは言っていられません。抹茶をめぐる争奪戦で、世界は大混乱と混沌の渦中にあるからです。
【影響】世界的抹茶ブームで日本茶が高騰
中国産なのに"宇治抹茶"表記も...
茶農家とブランドを守るには?突き付けられる課題
いま、世界中で起こっている抹茶ブーム。抹茶の需要は高まり、日本茶の価格が高騰する事態となっています。
(日テレNEWS 2026年7月4日)
報道によると、抹茶の原料になるてん茶の価格は2年前の3倍に高騰しているそうです。
日本では高い品質で知られる宇治茶のネームバリューは世界中に波及しており、特に中国大陸では同じ漢字文化圏であることから「宇治茶」、「宇治抹茶」がそのまま通用しています。
それがため中国のお茶生産地では「宇治抹茶」の絶大なブランド力をちゃっかり借用する事態に。なんと中国産であっても品名に「宇治抹茶」と表記してあるのです。その産地は中国の安徽省なのですが...。
当コラムではちょうど1年前に「抹茶ブーム」を取り上げていました。
[1010]世界的「抹茶ブーム」に製茶業の不振
土地も人も有り余る中国が本気で抹茶生産を始めれば、あっと言う間に日本を追い越すでしょう。日本産の抹茶不足の今、たとえ中国産抹茶でも飛ぶように売れることは間違いありません。
ただ、茶葉の生産方法も抹茶の製法も日本とはかなりの差があるそうです。お茶の木に日除けをして渋みを抑える栽培方法などは中国では取り入れていないため、その味覚、風味には大きな差があるとのこと。
(当コラム 2025年08月18日)
https://www.asuka-g.co.jp/column/2508/012839.html
昨年のコラムでは、いずれ中国産抹茶が台頭すると書きましたが、僅か一年で中国で生産した「宇治抹茶」が堂々と売られるとは予想もしませんでした。
抹茶市場拡大の割を食っているのが、私たちが普段飲んでいる煎茶、いわゆる緑茶です。抹茶の栽培面積が一気に拡大すると同時に煎茶の栽培面積は年々縮小。供給不足に陥り、お茶の価格はかつてなく値上がりしています。
こうなった以上は日本のIT技術の開発力をもっと強化して、お茶畑に革命を引き起こすほかありません。
いま社会問題化しているのが、日本の山野を覆い尽くす太陽光パネル問題。いつのまにか日本の原風景は、光をギラギラと反射する濃紺のパネルだらけになってしまいました。経済優先の社会構造だから仕方がないではもう済まされなくなっています。
このパネルを徐々にペロブスカイト太陽電池(光透過型太陽光パネル)に置き換えます。ペロブスカイト太陽電池はガラス窓にも使えるほど光透過性があります。その下をお茶畑にしたらどうでしょう。
光の透過率を調整可能な仕様にしたパネルであれば、てん茶の栽培が可能になると筆者は予想します。
ペロブスカイト太陽電池の普及やギガワット発電はあと数年かかると言われていますが、そこにこそ日本が開発費を投じるべきでしょう。
高級抹茶を生産できる茶畑が日本全土に広がるほうが、補助金狙い、売電利益狙いの太陽光パネルだらけで荒廃した山河よりも、はるかに生産性も将来性もあると筆者は考えます。(水田享介)