「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年07月08日
[262]無人運転バスが8月から運用開始。千葉・幕張で

 ついに日本でも、自動運転のバスが走り始めます。今年8月から、千葉・幕張新都心にある公園で、日本初の運用が始まるそうです。

日本で初めての「無人運転バス」が8月から運用スタート
DeNAが千葉のイオンモール幕張新都心で
 ディー・エヌ・エーはフランスのEasyMileと共同で、無人運転バスを使用した交通サービス「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」をスタートさせます。まずは試験導入として、8月から千葉のイオンモール幕張新都心の来店者向けに、隣接する豊砂公園の敷地内で運用する予定です。

 無人運転バスは、EasyMileの自動運転車両「EZ10」を利用。運転席はなく最大で12人乗車でき、設定したルート上をカメラ、各種センサー、GPSを用いて自車両の場所を測定しながら自動で走行します。ルート上に障害物を検知した場合は自動的に減速・停車するということです。

EZ 10の走行動画(EASYMILE)

 現在、日本国内では私有地のみで走行が可能なため、各種公共施設・商業施設・テーマパーク・工場などの内部での運用を想定しているとのことです。
ねとらぼ・宮原れい 2016年7月8日)

2016070801.jpg

 自動運転の技術は、すでに実用段階まで来ているようです。あとは日本国内の法整備を待つばかり、といったところでしょうか。このペースで進めば、2020年の東京オリンピックまでには、無人運転バスが都内を走っていることでしょう。

 先日、自動運転で走行中のテスラ車が、初めての死亡事故を米国で起こしました。主な原因は、危険を回避しなかったドライバーにあるとの見方のようです。しかし、事故責任の所在が、常にドライバーにあり、自動運転機能を提供するテスラモーターズにないと言い切れるのか、いまなお議論は尽くされていないようです。

自動走行技術、特殊条件で対応できず? テスラ死亡事故
 米電気自動車(EV)メーカー「テスラ」の自動車が自動走行中に事故を起こし、運転手が亡くなった。AP通信によると、自動走行中の車の死亡事故は初めて。日本勢を含めた各社が自動運転の実現にしのぎを削るが、肝心の技術に多くの課題があることが浮き彫りとなった。
(中略)
 詳しい事故原因は不明だが、テスラによると、当日は晴天でトレーラー車体の白い色をセンサーが感知できずブレーキが作動しなかった可能性があるという。
朝日新聞DIGITAL 2016年7月1日掲出)

自動運転「責任は運転者」 国交省、テスラ事故受け指示
 国土交通省は6日、米電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズ社の車で「自動運転モード」作動中に死亡事故が起きた問題を受け、日本自動車工業会などにユーザーへの注意喚起を徹底するよう指示した。
 テスラを含めて実用化されている自動運転は運転支援の技術にすぎず、運転の責任は運転者が負うことなどを十分説明するよう求めた。
日本経済新聞 2016年7月6日掲出)

 自動運転にまつわる諸問題は、航空業界では数十年前から起きています。着陸時のオートパイロット機能を解除しないまま、機長が手動で着陸をやり直そうとして、コンピュータと機体コントロールの主導権を奪い合うことに。結果、失速して墜落という痛ましい事故がありました。また航路情報の入力ミスで、あらぬ場所へ飛んで事故を起こした例もあります。どちらの事例も、ハードウェアの故障による事故ではなかったので、より深刻な問題でした。自動運転にはこのような思いもよらぬグレーゾーンがいくつも隠れています。
 航空機のこんにちの安全性は、想定外の事例への対策を積み重ねることで成り立っています。

 自動車や公共交通の自動運転においても、運用して初めて見つかる思いもよらぬ事象がこれからいくつもでてくるでしょう。

「ひとつの事故の前には百のひやりがある」
 昔から言い古されてきた教訓ですが、このひやりへの対応を自動運転にどれだけ採用できるのか。きめ細かな対応力が求められています。(水)

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