「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年08月08日
[275]・・・なのに美しい赤レンガ建築。観光施設として保存

 今から百年以上も昔の1908年(明治41年)、奈良市に赤レンガ造りの瀟洒(しょうしゃ)な建物が完成しました。写真は、2015年にグーグルのストリートビューで見た様子です。よく保存されていて、一見すると、遊園地などのアトラクション入り口か、はたまた美術館か、と思えますが・・・。

nara20160803.jpg
※ドーム状の屋根、扇形に広がるアーチの装飾がカワイイ表門

 実はこの建物、「監獄」として建てられ、今も「少年刑務所」として使われている、れっきとした刑務所なのです(2016年度末に閉鎖予定)。
 写真は、思わずカワイイと言ってしまいそうな可憐な建物ですが、「奈良少年刑務所・表門」にあたります。言われなければこれが刑務所の玄関口には見えませんね。
 庁舎も気品と格調の高さを感じさせる設計となっています。

nrSynSisetsu002.jpg
※気品と格調を備えた「庁舎外

奈良少年刑務所を観光施設に=ホテル、博物館への転用検討―法務省
 法務省は28日、今年度末に閉鎖する奈良少年刑務所(奈良市)を観光施設に転用すると発表した。
 同刑務所は明治時代の赤れんが建築として歴史的価値が高く、ホテルや博物館など観光施設として保存、活用することを検討する。
(中略)
 1908年に「奈良監獄」として完成した重厚な建物は、文化財指定に向けた調査も行われている。海外では歴史のある刑務所を観光ホテルに転用した例は多い。国内では旧網走監獄(北海道網走市)が移築され博物館として一般公開されている。
時事ドットコムニュース 2016年7月28日)

 しかもこの建物を設計した建築家は、ジャズピアニストの山下洋輔氏のおじいさんにあたる山下啓次郎氏です。
 百年以上も昔に設計した建物でありながら、今もなんともいえない品格と格調を感じさせるのは、それなりの理由があったのですね。

 将来は、日本初の「監獄ホテル」になるかもしれないとのこと。そのホテルで山下洋輔氏の演奏が流れる日を、今から楽しみに待ちたいですね。(水)

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■参考サイト
「奈良少年刑務所」



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