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人見知りの坊主頭が"傾聴力"を身につけてガールズバーに行ってみた
新刊.jpさんで「傾聴力」を特集いただいています! また、新刊ラジオからはポッドキャストも

西村喜久先生、講演会のお知らせ。
「英語が1週間でいとも簡単に話せるようになる本」など多数の著作を出版し、元・早稲田大学エク
西村先生.jpg
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新刊ラジオでこの本の読者モニターを募集しているということで、応募させて頂き、早速読ませて頂きました。
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 書店さんのおすすめ
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現場で活躍する書店さんが、オススメの1冊を紹介します!(毎月1日・16日更新)

*参加書店様募集中!ご興味をお持ちの方は、トップページの「お問い合わせ」よりご連絡下さい!


毎日毎日暑い日が続いております。バーテンダー表紙画像.jpg
皆さん夏バテしていませんでしょうか?
こうも暑いと仕事帰りやシャワーの後に冷たいビールをキュッと、という気分ではないでしょうか?

僕もそういう気分になるのですが残念ながらビールが飲めません・・・。
日本酒も焼酎もダメです。飲めるのはカクテルだけ。
居酒屋さんでもモスコミュールとかジントニックとかを注文しています。

そんな僕がオススメする本はコミックの「バーテンダー」です。
カクテル好きだからお勧めするというわけではないのですがこのコミックの中にはとても心に響くセリフがたくさんあります。
今日は特にお気に入りのセリフを2つ紹介したいと思います。

まずひとつ目のセリフ。
これは1巻の一番最初のお話に出てくる主人公のセリフです。「世の中に絶対にお客様を裏切ってはいけない仕事がふたつあります。ひとつは医師・薬剤師ではもう
一つは?バーテンダー、どちらも処方(レシピ)ひとつで毒にも薬にもなるものを売っていますから」

うーん、シブいです。
でもこの「お客様を裏切っていけない」って接客業を生業とする人たちにとって共通に持っていなければ
いけない意識だと思います。僕も常々そうありたいと思っています。

そして二つ目のセリフ。
これは主人公ではなく日本一のバーテンダーと言われる人のセリフです。
「バーの仕事の8割は磨くことです。開店前には店を磨き ボトルを磨き 氷を磨く そしてそれ以上に
大事なのは... バーテンダーとしての魂(スピリッツ)が曇らないように磨くこと」

このセリフを書店員風にアレンジすると「開店前には店内を清掃して 本の埃を拭いて 棚や本や帯の
乱れを直し それ以上に大事なのは... 書店員としての魂(スピリッツ)が曇らないように整理整頓する
こと」といった感じでしょうか?

僕自身このコミックを通じて感じることは多々ありますが、読むたびに思うのは接客業のプロとはこう
あるべきだということと、自分だけのバーとバーテンダーさんを見つけたいということですね。

宮脇書店  大阪柏原店
主任  荒井 俊和


書名 :バーテンダー
著者:長友 健篩 (著)、城 アラキ (クリエイター)
出版社:集英社
ISBN:9784088594545 
本体価格:530円



暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。大垣書店営業本部の吉川です。
今年の初めからTwitterを始めておりまして、著者さん、出版社にお勤めの方、書店員さん達と
ゆるーくつながる毎日です。

ある日、良かれと思って先回りして準備していた事人を助けるとはどういうことか.jpgを相手方に説明したら、「そんな事は別に頼んでいない」と言われ落ち込んで帰った事がありました。泣きながらツイッターの画面を見つつトボトボ帰っていたのですが、その時Twitter上でフォローしている方かツイートしておられた引用文に目を奪われました。「役に立つ支援と役に立たない支援がある」という内容だったと思います。『人を助けるとはどういうことか』(英治出版)からの引用でした。
ずっと気になっていた本で、会社の中で支援する部署にいる人は絶対に読んだ方がいいとオススメされていたのをどこかで読んでいたので、ちょっと運命的なものを感じました。

内容は「親切のつもり」「相手の為を思って」とった行動が、相手におせっかいだと思われる事ってどうして起こってしまうのか?それを著者が体験した事例をもとに、「このような態度をとると相手がどう思うのか」「どうしてうまくいかなくなるのか」「うまく問題を解決する為にはどうしたらいいのか」を細かく検証していきます。
支援を受ける側の立場を考えて、決して相手が引け目を感じないように控えめな質問を繰り返し、ニーズを探ること。すべての事例は似たような案件であってもすべてまったく新しいものとして捉え、安易に同じ対応を繰り返さないことなど、明日から使える気づきが沢山ありました。
「こんなに相手の為にやっているのに、受け入れられないのであれば、支援そのものを
やめてしまおう。」「支援が無くなる事で孤立して、ありがたみを感じればいいのだ。」という
投げやりな気持ちに陥りそうになっていた私を、この本との出会いが是正してくれました。

支援をする事は上からひっぱり上げるものでも、下から持ち上げるものでもありません。
同じ立ち位置に立ち、相手と支えあいながら行なうものです。自分ひとりの力で行なうもの
ではなく、相手と力を合わせて行なうものだから、一方的な思い込みや自分の力だけで
強引に解決できるものではなく、その為に相手との綿密なコミュニケーションが欠かせない
という事が分かるこの本は、読むことで自分だけでなく、周りの人も幸せにできる可能性を
秘めた本だと思います。

株式会社 大垣書店
営業本部 吉川敦子


書名 :人を助けるとはどういうことか
著者:エドガー・H・シャイン, 金井壽宏(監修), 金井真弓(翻訳)
出版社:英治出版
ISBN:9784862760609
本体価格:1,900円



アラサーだの肉食系女子だの婚活だので、一人が悪いわけではないのに、責められまくってる婦女子の
みなさんこんにちは。
7月のメインイベントである七夕も、普通に仕事してた山名弘晃です。

ああ、ダイジョブ、大丈夫です。
七夕って一年に一度だけの逢瀬と美化されてますが、一説には『織姫の行水シーンを覗いてた彦星が、
見つかった事に逆ギレして天女の羽衣を強奪、返して欲しくば嫁になれと強制結婚。あまつさえ織姫の
親御さんに怒られて、命じられた草鞋を編む仕事すら自分だけで出来ず、織姫に救って貰った』という
実にロクデナシの物語でもありますから、ワンチャンなんか無くて良かったんですよ。実際。

さて、こんな生々しいオトナの物語は夏には合いません。そんなの、みのもんた(本名:御法川法男)に
任せればいいことで、こんな本はいかがでしょうか?というのが今回のアナザー修学旅行。

誰もが経験した中学時代。
思い出せば思い出すほど、恥ずかしくて身もだえする時代ですね。
その中でも一大イベントである修学旅行は、少なからず貴方の胸に刻まれている思い出があるはずです。
友だちとの観光に、ご飯、お風呂、そして夜の恋愛話。失態、失言、けれどときめき。
そんな今なら笑い飛ばせる思い出は、今の貴方を構成している掛け替えの無い経験です。
僕なんか、深夜にエロしりとりをしていて盛り上がってたら、正座させられました。

ですが、修学旅行に参加できなかった人たちは一体どうなってたんでしょうか?例えば足を骨折して
いた、不祥事を起こしていた子、登校拒否児はどうだったんでしょうか?

アナザー修学旅行.jpgこの物語はそんな修学旅行に参加できなかった6人の生徒が、その期間中に学校で課外授業を受けるお話です。
登場する6人の生徒同士、誰一人知り合いはいない気まずい状態。でも、修学旅行期間である3日間という時間の中、我々大人にとっては些細で地味なことでも、中学生にとってはエキセントリックな出来事が起きる物語です。

全員やや優等生です。少なくとも捩れていません。
けれど、それぞれに特殊な事情がある子供ばかりです。だから大人びてます。
でも、分かるよね、子供は子供同士すぐに仲良くなれるわねって喜ぶオトナを、バカじゃねえの?と睨んでいた自分たちですよ?んなわけねぇっての!

バカで知識不足で純粋なだけ、もっと残酷で繊細だっての!

それを細かに台詞に潜ませる手腕と構成はデビュー作とは思えない技術とパワーを感じました。

まったくノーマークだったんです。ただ題名に惹かれて手に取った本です。それが一気に填ってしまったのです。
この感覚は実に久々で、僕が最初にセカチューを手に取ったときの感触と凄くよく似ています。

売れる。そんな感覚です。

ほこほことした小説です。
読後はネガティブな中学時代を思い出さず、ポジティブな中学時代を思い出す、そんな小説です。
運動会で負けたけど先生に50円のアイスを奢ってもらって歓喜した、そんな夏の日差しが疎ましくって、
でも、眩しかったあの頃の小説です。ぜひご一読を。


マイブックシェルフヤマナ
取締役総合統括:山名弘晃
http://www.yamana.co.jp


 
書名 :アナザー修学旅行
著者:有沢佳映
出版社:講談社
ISBN:978-4-06-216290-6
本体価格:1,300円



つい先日、角川文庫の新刊として、『宇宙のみなしご』が発売宇宙のみなしご.jpgされました。

と言っても、私がこのお話を初めて読んだのは、実は主人公の陽子と同じ、中学生の頃のことです。たぶん、学校の図書館で借りて読んでいたのだと思います。
それから時は流れて今、大人になり(登場人物でいくと、陽子の元担任教師のすみれちゃんにいちばん年齢が近そうです)、働いている書店で再びこの本に出会い、紹介できる日が来るとは!
そんなに月日が経ったのか、と、個人的にとても感慨深いです。そして、愛され続けている作品だということも今更ながら感じました。

さて、あまりの懐かしさに妙にどきどきしながらページをめくると、やっぱり私も大人になったもので、最初に読んだ頃とはすこしちがって、ああ中学生って子どもなんだなあ、一生懸命だなあ、と、愛おしくさえ思いながら、もっと言えば、可愛いもんだわ~くらいのちょっと上から目線で読み進めていました。

が、しかし。

ぐっと深いところに、響きました。子どものときとはまたちがうところに、ぐっと。かつて何度も読んでいて、展開も知っていたはずなのに!
驚いたのと同時に、この良さがわかる大人になれて、よかったと思いました。
特に、じっくり読んでいって、たどり着くラストシーン。衝撃的な結末とか感動の大団円とかそういう仕掛けがあるわけでもない、最後の場面。

内容はしっかりしていますが、もとが児童書なだけあってするする読めるので、手にとってみてほしいです。自分の中心を見失いそうなときや、自分がひとりぼっちかもしれないと思うときには、大事なことを思い出させてくれると思います。
年齢性別問わず、ぐっと響くはず。おすすめです!


ささおき書店
藤原千代


書名 :宇宙のみなしご
著者 :森 絵都
出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング)
ISBN :
9784043941087
税込価格 :460円



ちょうどこの時期、人類の起源であるといわれるアフリカの地で行われているであろう、サッカーの
ワールドカップを皆さんもご覧になっているでしょうか?

私もこの世界最大の大会を、心から待ち望んでいた多くのファンの1人です。
残念ながら、我らが日本代表は・・・今頃・・・どうなっているのだろう・・・。
これをご覧の方も、私も既に結果はご存知のこととは思いますが・・。

そんな私にとっての楽しみのひとつに、海外各国で行われている各リーグを自宅やバーなどで、
大好きなビールを飲みながら観ること (主にイギリス・プレミアリーグ所属、マンチェスターシティの
15年来のファンです)があります。特に欧州で繰り広げられるそれは、 "サッカーじゃない、フット
ボールだ!"という言葉そのもの。スリリングで美しく・時に儚く・かつ醜く、それらは私の身体の
"何か"を激しく揺さぶって止みません。

そのフットボールを操る"監督"に皆さんは注目されたことがあるでしょうか?
彼らによって、ある何かに迷ったチームがまるで魔法をかけたように明日には違う集団へと変化する
ことがあります。戦術?人柄?・・俗に"名将"と謳われる者にはそれらを超越した、スペシャルな何か
があるのでは・・??私はそう思います。そして、それこそ私が知りたいものでもあります。


サッカー.jpg本書から伝えたいこと、実はこれ、サッカー漫画としてもすこぶる面白いのですが、ビジネス書としての購読を是非ともオススメしたいと思います。正に、1粒で2度美味しい!

どんな球技からでもそうだと思うのですが、会社や仕事・学校にサークル、集団になる限りは先にのべたような戦術etcが充分に役立つと私は思っています。現在の"チーム"に名将的な魔法をかけられたら・・適材適所、ライバル、心理戦術・・。コーチングやリーダー術、チーム戦術と読まれても、非常に秀逸な作品です。もちろん、ゲームには時間制約もあります。さて、定時で結果を出し帰宅するためには・・・?と、こんな感じです。いかかでしょうか?

サッカー2.jpg本書の主役はあくまで"チーム"です。そこに達海猛という監督のエッセンスとタクトが加わります。ビジネス書では壁が高い・・読み難い・・そんな方にはより読んでいただきたい。ある・いる人材と環境で人は変わり、以前は手が及ばない世界をもきっと凌駕してしまえる。本書はあくまでサッカー漫画かもしれませんが、たくさんのビジネスマン・社会人としての処世術がぎっしり詰まっております。

是非ともたくさんの方に読んでいただきたい作品です。

日本サッカー協会の人にも読んでほしいなぁ・・・。


ブックファーストアトレ吉祥寺店
岩崎高史


書名 : GIANT KILLING (1~15巻、以下続刊)
著者: 綱本将也 作、ツジモト 画
出版社:講談社
本体価格 : 570円 (第1巻)
ISBN : 9784063725933 (第1巻)



いま、日本で最も話題の街「普天間」。 普天間2.jpg

「世界一危険な基地」と米国防長官自身が語った沖縄という小さな島の米軍普天間基地。

沖縄県宜野湾市は、この普天間基地の周辺360度にドーナッツ状の市街地を持つ、世界でも珍しい円環都市です。 また2004年「米軍ヘリ墜落」の現場でもあります。
当然「基地の街」のイメージがつきまとうのは事実ですがそれがすべてではありません。素顔はもっとフォトジェニックで、インターナショナルでありながら文化と歴史が共存する多様な魅力と可能性を秘めた街です。
そんな素顔を伝え不思議な街の構造を体感できるように宜野湾をリミックス、リデザインした完全円環都市のビジュアルマップを書籍化しています。

※ 各ページをバラバラにしてパズルのように平面につなぐと一枚の巨大な円形絵地図ができます。

仮想都市を紙上でぐるっとひと巡りするショートトリップを通じて、宜野湾の「今/現在」を知るガイド
ブックでありながら、来るべき基地返還という「未来/希望」へ向けたロードマップにもなっています。

全国で流通している本ではありませんが沖縄に来る機会がありましたらどうぞ。


沖縄ブックボックス本部
久保誠

 


どうにもならないことでクヨクヨ悩んでしまったとき、無人島.jpg
理由もないのになんだか気分が落ち込んでしまったとき、
よく思い出す4つの約束があります。

一つ、島で手にはいるもので、くらして行く
二つ、できない相談をいわないこと
三つ、規則正しい生活をすること
四つ、愉快な生活を心がけること
さしあたって、この四つを、かたくまもろう

これは、明治の日本男児の身に実際に起こったノンフィクション、「無人島に生きる十六人」の船長が無人島での暮らしを始めるにあたって、十五人に約束した4か条です。
「遭難」という生きるか死ぬかの窮地でも、心を強くもち生き抜くために作られたこの4か条は、心が弱った時の私にもとてもいいお薬になってくれています。
「今あるものに感謝し満足し不平を言わず、つらい時こそいつも通りに規則正しく愉快に暮らすように心掛けよう」と。

「無人島の十六人」は、太平洋上で座礁し、小さな無人島に漂着した十五人を束ねた船長の経験譚に
深い感銘を受けた教え子が、後世に残すべく記したお話です。
ぐるりと海に囲まれた国なのに、「十五少年漂流記」「ロビンソンクルーソー」のような魅力的な海の物語に
恵まれていない日本の子ども達へ向けて書かれているので、とても優しくてどこか可愛らしさもあるお話に
なっています。
海亀のお腹に貯まる真水を得るための「海亀牧場」、海綿をつかって天日でつくる「塩づくり」など、魅力的
なエピソードが盛りだくさん。実話ですし、遭難という危機的状況ですので困難な場面もたくさんあります
が、生きるための工夫、十六人の心持ちへの感動がそれを上回り、すがすがしい読み心地です。何より
誰も死なない、不幸にならないところが素晴らしい!明治日本の海の男のたくましさ、精神の強さに感じ
入ります。

もっとも好きなシーンは、生きる糧にするためにアザラシには近づくなという船長命令を破ってしまった
国後さんが謝るところ。
「規律を破って申し訳ありません」
「これからは気をつけるのだぞ。だが、せっかく友達になったのだ。アザラシとはいつまでもなかよくしろよ。」
ドキドキハラハラの冒険譚と日本男児の強さと、生きていることの幸せを味わえる優しい優しいお話です。
まだ出会っていない方は是非読んでみてください。
5月病もきっと吹き飛びます。


有隣堂 ヨドバシAKIBA店
門脇 順子


書名 : 無人島に生きる十六人
監修 : 須川邦彦
出版社 :新潮社
本体価格 : 420円
ISBN : 978-4101103211



『こころ』は1914年4月から8月、朝日新聞に連載されまこころ.jpgした。
今から96年も前のことです。

『こころ』と出会ったのは、大学受験にすべて失敗し、予備校に通っていた1995年、池袋の古本屋で。もう一度読み直したのは2000年、大学生の末期、Kのことを思い出したのでしょうか。自発的に再読した唯一の書です。


ずばりこの本は、自殺予防の話なのだと、私は理解しています。

「私」という学生は、海水浴場で沖へ行こうとする「先生」を止める。
「私」は「先生」と出会ったときから心配を覚えていました。
先生の家に訪問するようになり、奥さんとも知り合い、二人で協力して、なんとか先生を理解しようと努める。

熱意は通じます。

先生は、この私一人だけを信頼するようになる。
その証として、それまで誰にも言えなかった「こころ」を、私にすべてさらけ出す。

遺言として。


1910年、夏目漱石は修善寺で大吐血をし、死の淵から奇跡的に生還します。
その前年、養父(実父50才のときの子で恥とされ、2才から7才まで養子に出されていた)から
金をせびられていた。
亡くなったのは1916年、『こころ』は漱石の「こころ」の集大成と言える。

両親から愛されなかったこと、愛を求めたゆえにKという親友を死なせてしまったこと。
人を信じたいのに利用しようとする人。
もっと生きたいのに、病は自由を容赦なく奪う。

小説中の「私」は、読むうちにいつの間にか読者の私と重なっていく。
「先生」は漱石に。

彼は、読者である誰かを心底信頼した。次の世代の人々に最高のものを残したかった。
半分以上死に首を突っ込んで、それでも若い私に語りかけたかった。
Kと先生は、「こころ」の中で自殺した。
私たちは彼らを救うことはできなかった。
しかし、それは虚構の中でのこと。
読み終わったとき、私たちは現実に帰ってくる。
失敗から学ぼうとする今生きる人として。

大事なのは信頼関係なのでしょう。
なんでも腹を割って話せるということ。
自殺せざるを得なかった先生は、腹から語りたくてしかたなかった。
しかし、誰にでも話せるわけではなかった。
私という、まじめな人間が必要だった。
まじめであることの価値を、改めて教えてくれました。

人生には辛い時間の方が多いかもしれないけど、この世に私が生まれてきたことの意味、
命尽きるまで生きる責任に訴えかける、いつまでも新しい本です。
いつまでも手放すことのできない本です。


リブロ池袋本店
地図・ガイド担当  菊田 和弘


書名 :こころ
著者 :夏目漱石
出版社 :新潮社

ISBN :9784101010137  
本体価格 :380円



文芸書担当をしていた2年前のある日、入荷してきたこの結婚しなくて.jpg本を目にしたとたんにズキュンと胸を射抜かれて思わず手にとっていたのでした。

「結婚しなくていいですか」

ちょうどアラサーと呼ばれる年代にさしかかっていた私。
酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』が話題になったころはまだ20代前半。
そのころは「30才を超えて未婚だと"負け犬"?ふーん」「結婚?30才になるころにはしてるんじゃないかな~」なんて軽く考えていたら、あっという間になんだか微妙なお年頃。
周りの友達はどんどん結婚していって、すでに出産を経験している子も多い。親もなんだかそこのところをうるさく突っ込むようになってきた...。

さてそこで、どうなの、私?
と改めて自分に問いかけるタイミングをまさに迎えていたのです。
仕事は大変だけどやり甲斐があるし、友達と遊んでいるのも楽しいし...。今は自分のためだけに自由に時間を使えているけれど、結婚したらそれは家族のために費やすものになるのだろうか?
若いうちなら一人でいるほうがラクだけど、年を取っていざ"一人"になったときにその"孤独"と
向き合っていけるのだろうか...?
それじゃあ私は何のために結婚したいのだろう?そもそも結婚って、何なのだろう...?

来たるべき30代に向けていいようのない不安を感じつつ、まだギリギリの若さに甘えていたい
なんて自分勝手に悶々としていた私の前に現れた、この作品の主人公"すーちゃん、35才独身"。
勤務先のカフェで新米店長としてバイトの若い子をうまく使う自分に充実感をおぼえつつ、ふいに
頭をよぎる"ひとりの老後"に大きな不安を感じる毎日の中ですーちゃんは自分に問いかけます。
「私の人生って?未来って?」。そのリアルで直球なモノローグはまるで私のココロを見透かされて
いるようで、「そうそう!そうだよ」と深く頷きながらページを繰っているうちに、あれあれ?なんだか
じわじわと視界がぼやけてくるのでした。

日々の暮らしを淡々と、でも腐らず紡いでいくすーちゃんの毎日。
いくら自問自答を繰り返しても、簡単に答えがでることではない。今日からつづいていく明日と
いう日に、人生が180度変わってしまうような出来事が起こるわけでもない。でも、それでいい。
肩の力を抜いて、また明日から自分なりに精一杯生きていきたいと素直に思わせてくれる作品です。

益田ミリさんのゆるいイラストがまた秀逸!

 
今井書店グループセンター店
竹内麻紀子

結婚しなくていいですか すーちゃんの明日

著者:益田ミリ
出版社:
幻冬舎
ISBN:9784344014510 
本体価格:1200円



最近では少し、落ち着いてきたものの、ほんの一寸前までは、エライ勢いで売れていた「話し方本」。
そんなに話のが苦手なら話さなきゃいーじゃん、と開き直るようになってくると、周囲の評価は「変人、変わり者、気分や、絵に描いた様なAB型」ということになってくる。

まあ、"突発性人間嫌い"という奴なのであろう。たいして理由もないけれど他人と口を利きたくなかったり、逆に調子に乗って一口多かったりするわけである。
まあ、それで済めば周囲に迷惑をかけて、本人はいたってシアワセということなのだろうが、そうはいかぬ。
家に帰って、反省するわけである。

曰く、「ああ、あの人にあんな素気無い態度をとっちゃった。」
曰く、「あいつに余計なこと言っちゃったなあ。」

ようするにヘコムのである。
こうして"人間嫌い"は年々歳々悪化していくのである。

そんな全国の人間嫌いの皆様に書かれた本が、「人間嫌いの言い分」。
特にこの本の前半部分は、見事に人間嫌いの言い分を代弁している。

『別に友達がいなくてもいいじゃん。不便かもしれないけれども、恥ずべきことじゃない。
 むしろ友達が多くなければいけないというのは、強迫観念じゃねーの』

すばらしい、よくぞいってくれた、まったくそのとおり!
人間嫌いからいわせれば、友達が100人や200人もいると主張する奴の気がしれぬ。
本読んだり、音楽聴いたりする時間は、何処にあるんだよ......。


この本の問題点は、後半部分にある。人間嫌いの言い訳.jpg
とにかく人間嫌いをほめすぎるのである。
そんなに良いものじゃないけどネ、人間嫌いって。
本人が言うのだから、間違いない。

やっぱり人間嫌い共通の性癖なのかね、一言多いってのは。

丸善 津田沼店
菅原 淳


「人間嫌い」の言い分

著者:長山 靖生
出版社:
光文社
ISBN:
9784334032739
本体価格:700円


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