明日香出版社について
TOP >>
 書店さんのおすすめ >>
 2010年07月
書店さんのおすすめ
2010年07月



暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。大垣書店営業本部の吉川です。
今年の初めからTwitterを始めておりまして、著者さん、出版社にお勤めの方、書店員さん達と
ゆるーくつながる毎日です。

ある日、良かれと思って先回りして準備していた事人を助けるとはどういうことか.jpgを相手方に説明したら、「そんな事は別に頼んでいない」と言われ落ち込んで帰った事がありました。泣きながらツイッターの画面を見つつトボトボ帰っていたのですが、その時Twitter上でフォローしている方かツイートしておられた引用文に目を奪われました。「役に立つ支援と役に立たない支援がある」という内容だったと思います。『人を助けるとはどういうことか』(英治出版)からの引用でした。
ずっと気になっていた本で、会社の中で支援する部署にいる人は絶対に読んだ方がいいとオススメされていたのをどこかで読んでいたので、ちょっと運命的なものを感じました。

内容は「親切のつもり」「相手の為を思って」とった行動が、相手におせっかいだと思われる事ってどうして起こってしまうのか?それを著者が体験した事例をもとに、「このような態度をとると相手がどう思うのか」「どうしてうまくいかなくなるのか」「うまく問題を解決する為にはどうしたらいいのか」を細かく検証していきます。
支援を受ける側の立場を考えて、決して相手が引け目を感じないように控えめな質問を繰り返し、ニーズを探ること。すべての事例は似たような案件であってもすべてまったく新しいものとして捉え、安易に同じ対応を繰り返さないことなど、明日から使える気づきが沢山ありました。
「こんなに相手の為にやっているのに、受け入れられないのであれば、支援そのものを
やめてしまおう。」「支援が無くなる事で孤立して、ありがたみを感じればいいのだ。」という
投げやりな気持ちに陥りそうになっていた私を、この本との出会いが是正してくれました。

支援をする事は上からひっぱり上げるものでも、下から持ち上げるものでもありません。
同じ立ち位置に立ち、相手と支えあいながら行なうものです。自分ひとりの力で行なうもの
ではなく、相手と力を合わせて行なうものだから、一方的な思い込みや自分の力だけで
強引に解決できるものではなく、その為に相手との綿密なコミュニケーションが欠かせない
という事が分かるこの本は、読むことで自分だけでなく、周りの人も幸せにできる可能性を
秘めた本だと思います。

株式会社 大垣書店
営業本部 吉川敦子


書名 :人を助けるとはどういうことか
著者:エドガー・H・シャイン, 金井壽宏(監修), 金井真弓(翻訳)
出版社:英治出版
ISBN:9784862760609
本体価格:1,900円



アラサーだの肉食系女子だの婚活だので、一人が悪いわけではないのに、責められまくってる婦女子の
みなさんこんにちは。
7月のメインイベントである七夕も、普通に仕事してた山名弘晃です。

ああ、ダイジョブ、大丈夫です。
七夕って一年に一度だけの逢瀬と美化されてますが、一説には『織姫の行水シーンを覗いてた彦星が、
見つかった事に逆ギレして天女の羽衣を強奪、返して欲しくば嫁になれと強制結婚。あまつさえ織姫の
親御さんに怒られて、命じられた草鞋を編む仕事すら自分だけで出来ず、織姫に救って貰った』という
実にロクデナシの物語でもありますから、ワンチャンなんか無くて良かったんですよ。実際。

さて、こんな生々しいオトナの物語は夏には合いません。そんなの、みのもんた(本名:御法川法男)に
任せればいいことで、こんな本はいかがでしょうか?というのが今回のアナザー修学旅行。

誰もが経験した中学時代。
思い出せば思い出すほど、恥ずかしくて身もだえする時代ですね。
その中でも一大イベントである修学旅行は、少なからず貴方の胸に刻まれている思い出があるはずです。
友だちとの観光に、ご飯、お風呂、そして夜の恋愛話。失態、失言、けれどときめき。
そんな今なら笑い飛ばせる思い出は、今の貴方を構成している掛け替えの無い経験です。
僕なんか、深夜にエロしりとりをしていて盛り上がってたら、正座させられました。

ですが、修学旅行に参加できなかった人たちは一体どうなってたんでしょうか?例えば足を骨折して
いた、不祥事を起こしていた子、登校拒否児はどうだったんでしょうか?

アナザー修学旅行.jpgこの物語はそんな修学旅行に参加できなかった6人の生徒が、その期間中に学校で課外授業を受けるお話です。
登場する6人の生徒同士、誰一人知り合いはいない気まずい状態。でも、修学旅行期間である3日間という時間の中、我々大人にとっては些細で地味なことでも、中学生にとってはエキセントリックな出来事が起きる物語です。

全員やや優等生です。少なくとも捩れていません。
けれど、それぞれに特殊な事情がある子供ばかりです。だから大人びてます。
でも、分かるよね、子供は子供同士すぐに仲良くなれるわねって喜ぶオトナを、バカじゃねえの?と睨んでいた自分たちですよ?んなわけねぇっての!

バカで知識不足で純粋なだけ、もっと残酷で繊細だっての!

それを細かに台詞に潜ませる手腕と構成はデビュー作とは思えない技術とパワーを感じました。

まったくノーマークだったんです。ただ題名に惹かれて手に取った本です。それが一気に填ってしまったのです。
この感覚は実に久々で、僕が最初にセカチューを手に取ったときの感触と凄くよく似ています。

売れる。そんな感覚です。

ほこほことした小説です。
読後はネガティブな中学時代を思い出さず、ポジティブな中学時代を思い出す、そんな小説です。
運動会で負けたけど先生に50円のアイスを奢ってもらって歓喜した、そんな夏の日差しが疎ましくって、
でも、眩しかったあの頃の小説です。ぜひご一読を。


マイブックシェルフヤマナ
取締役総合統括:山名弘晃
http://www.yamana.co.jp


 
書名 :アナザー修学旅行
著者:有沢佳映
出版社:講談社
ISBN:978-4-06-216290-6
本体価格:1,300円



つい先日、角川文庫の新刊として、『宇宙のみなしご』が発売宇宙のみなしご.jpgされました。

と言っても、私がこのお話を初めて読んだのは、実は主人公の陽子と同じ、中学生の頃のことです。たぶん、学校の図書館で借りて読んでいたのだと思います。
それから時は流れて今、大人になり(登場人物でいくと、陽子の元担任教師のすみれちゃんにいちばん年齢が近そうです)、働いている書店で再びこの本に出会い、紹介できる日が来るとは!
そんなに月日が経ったのか、と、個人的にとても感慨深いです。そして、愛され続けている作品だということも今更ながら感じました。

さて、あまりの懐かしさに妙にどきどきしながらページをめくると、やっぱり私も大人になったもので、最初に読んだ頃とはすこしちがって、ああ中学生って子どもなんだなあ、一生懸命だなあ、と、愛おしくさえ思いながら、もっと言えば、可愛いもんだわ~くらいのちょっと上から目線で読み進めていました。

が、しかし。

ぐっと深いところに、響きました。子どものときとはまたちがうところに、ぐっと。かつて何度も読んでいて、展開も知っていたはずなのに!
驚いたのと同時に、この良さがわかる大人になれて、よかったと思いました。
特に、じっくり読んでいって、たどり着くラストシーン。衝撃的な結末とか感動の大団円とかそういう仕掛けがあるわけでもない、最後の場面。

内容はしっかりしていますが、もとが児童書なだけあってするする読めるので、手にとってみてほしいです。自分の中心を見失いそうなときや、自分がひとりぼっちかもしれないと思うときには、大事なことを思い出させてくれると思います。
年齢性別問わず、ぐっと響くはず。おすすめです!


ささおき書店
藤原千代


書名 :宇宙のみなしご
著者 :森 絵都
出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング)
ISBN :
9784043941087
税込価格 :460円


サイト内検索
google

今月の新刊

絶対に身につけたい 本物の接客
絶対に身につけたい 本物の接客
著者/菊地 麻衣子
定価/1500円+税

営業の鬼100則
営業の鬼100則
著者/早川 勝
定価/1500円+税

人間関係で「うまくやる人」と「つらい人」の習慣
人間関係で「うまくやる人」と「つらい人」の習慣
著者/著:宮松 大輔  監修:あがり症克服協会
定価/1500円+税


CD BOOK 英検(R)2級 8日間で一気に合格!
CD BOOK 英検(R)2級 8日間で一気に合格!
著者/植田 一三:編著  岩間 琢磨/上田 敏子/中坂 あき子:著
定価/1700円+税