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 [503]義理チョコはなぜやめられないのか
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[503]義理チョコはなぜやめられないのか

 今年ももうすぐやってきます、2月14日のバレンタインデー

 いつの頃からか、この日は日本全国の職場で、もれなく男性のデスクの上にささやかなチョコが載ることになっています。

 この「もれなく」は言い換えると、「義理」とも言います。

 義理とわかっていても、ありがたくいただくことで職場の平和が保たれるならそれでいいではないか。そういう声の中、いやそうではない、と声を上げた勇敢な企業があります。しかも、それは有名なチョコメーカーでした。
 2月1日の日本経済新聞に掲載されましたから、ご覧になった方も多いことでしょう。

社長、義理チョコやめるってよ
 2月1日の経済紙の朝刊にユニークな全面広告が掲載されました。
 「日本は、義理チョコをやめよう」
 広告主は世界で知られるチョコレートブランドの「GODIVA」。淡いピンクの上品な紙面には、義理チョコを誰にあげるかを考えると大変で、バレンタインデーが嫌いという女性がいることを伝えています。そのうえで「義理チョコ、無理しないで」と呼びかけているのです。
NHK NEWS WEB News Up 2018年2月2日掲出)

2018020901.jpg
※NHK NEWS WEB News Up サイト画面より引用

 バレンタインデーはもらう人のためではなく「贈る人のための日」ということは、チョコレートメーカーとしてはまっとうな意見でしょう。
 そして本当にあげたい人にあげてほしい。その素直な気持ちも大切です。

 ただ、それではチョコをもらえない男性が職場に発生する。いえ、数少ないイケメンに集中するではないか、という恐れすらあります。

 そこであみ出されたのが、「義理チョコ」という文化でした。

2018020902.jpg
※義理と開き直るチョコメーカーもあったり・・・

 さらにはお返しという日本らしい発想から「ホワイトデー」まで生まれて、贈り贈られの儀式と化したのです。

 実はこのように贈答が儀式化する現象は、江戸時代にまでさかのぼることができます。

 江戸初期、武家の間で行われ始めた贈答行事はしだいに儀式化して、子どもの誕生から、就職活動、身内の葬儀に至るまで、武家の格式に応じて欠かすことができなくなりました。お金がかかるからと家来や下女に暇を出すこともできません。
 ひとたびこうしたしきたりを止めた家は、周囲の武家から武家と見なされなくなるからです。冠婚葬祭と家来は、沽券と地位の維持には欠かせないものだったのです。

 ところが、戦乱のなかった江戸時代、武士の家禄は変わらないのに、行事だけは増え続け、ついにはこうした儀式や贈答費が家計の半分を占めるようになりました。

 詳しくはこちら・・・
 『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』(磯田道史・新潮新書)
 新史料発掘! 歴史観が変わる圧倒的面白さ! 仕事は経理、小遣い5840円、借金地獄、リストラ......混迷の幕末を算盤ひとつで生き抜いた武士がいた。
(新潮社 2003年4月10日発売)

 こうした「身分費用」に汲々としていた武士階級ですから、明治維新で武士の身分がなくなると言われても大きな反対はありませんでした。それもそのはず。身分の剥奪と一緒に武家の冠婚葬祭も不要となったからです。

 日本人は一度始まった行事や風習を止めることが苦手ですが、義理チョコもそろそろ見直しの時期が来たようですね。(水)


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