電子書籍のリーダーとして世間で期待されているiPadが発売となりました。
いったいどれだけの書籍コンテンツが用意されているのかはわかりませんが、秋
口までにはその結果からくる新たな方向性が示唆されるのではないかと思ってお
ります。
この電子書籍の流れに「明日香出版社はどうするんだ?」と聞かれますが、こ
れまでと変わらず売れる書籍作りに勤しむだけです。しかしながらコンテンツの
元である著者陣は「これまでと変わらず」かというとそうでもないようです。
最近あった変化の兆候ですが、新刊を発行するときに交わす出版契約書の「海
外版権」「電子利用」「出版期限」などの条項にたいする質問や修正依頼が多く
なっていることです。著者が出版社の出版契約書をそのまま「はい、分かりまし
た」と捺印する時代ではなく、著者それぞれが自分のコンテンツの生涯を、それ
こそ子供の成長を見守る親のような目線で見ていることを感じます。
その熱意はありがたくもあり、同時に契約書の再度の説明、個別改定という煩
雑な作業も増える可能性もあり小社レベルなので毎月の新出版契約は少ないのでよいですが、これが何百点も出している版元となれば...、大変な業務量となるのでしょう。兎にも角にも著者によるコンテンツの二次利用、三次利用への意識は高まっているようです。
6月は弊社の決算月であります。おかげさまで前年を越える数字をいただけそ
うです。つきましては当初予定をしていた6月新刊を2点、7月へ発行延期するこ
とにいたしました。日ごろのご高配に厚く御礼を申し上げます。