明日香出版社では、毎年10月に著者の先生方をご招待して一堂に会する会を開催しております。著者同士の交流の場、著者と編集者・営業マンの交流の場でもあります。私にとって問題なのは第一部に用意されている社長スピーチです。毎年同じように緊張し、同じような失敗と反省をし、そして今年も同じようなことを繰り返してしまうのでしょう。そう今年も...。ああ、考えたくもない!
話し方の本は自社も含めてたくさん出ております。書店さんの店頭に行けば、話し方の本がたくさん並び、選択に迷うほどです。話し方の本は大きく分けて二つに別けられます。一つ目は知識武装を促進するものです。知識武装、技術武装することで本来の自分の上にデキる!自分を被ることともいえます。もう一つは本来の自分を見つめてなおし、自分の心で言葉を話すことを教える本です。虚像の自分を作るのではなく、自然体の自分で話し方が上手になるという本です。前者が機械的であれば後者は人間的ともいえます。
私のスピーチは前者にもなりきれず、後者にはなれずという感じでした。というのも、いらっしゃる先生方は皆さん第一線で活躍されている方ばかりです。格好よく話さなければ頭がよく見られない、上手に話さないと!と、プレッシャーばかりが先行しておりました。そして必ず!ガシャーンと頭の中の真っ白な壁にクラッシュするのです。
そんな私の憂鬱な悩みを解決してくれる最高の一冊に出会いました。良い本だけに自社で出したかったが(笑い)他社の本です。サンマーク出版『「ひらがな」で話す技術』西任暁子さんが書かれた本です。
本来の自分を隠さず、自分らしさを武器に話し方を変えるだけでいいのです。難しい言葉を使わずになるべく「ひらがな」のようにまるく話すのです。声は終わりに向かって大きくしていくつもりにすると説得力のある声になるそうです。最高にいい!と誉めるのは読んですぐに実践できるところなのです。レイアウトにも工夫がされております。出版技術も大いに参考になりました。皆さんにおすすめする一冊です。