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 ロータリーエンジンとドラッカー
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ロータリーエンジンとドラッカー

10/17朝日新聞朝刊の天声人語に特別な思いを寄せた。世界で唯一のエンジンを手にしているマツダが、その販売を来年で終わらせるからだ。RX-7に乗った時、ロータリーエンジンのスムーズな吹き上がりに「何なんだ!このエンジンは!」と驚いた。そのコンパクトな姿形からは想像もできないパワーを実感した。そのロータリーエンジン(以下、ロータリー)は幾度も消滅する危機を乗り越えてきた。10A、12A、13B、20Bと進化を遂げてきた。その進化は馬力向上、燃費向上、排ガス規制対応という過酷なハードルを越えてきた闘いでもある。

天声人語に書かれている通り、ロータリーの特徴は、回転運動による高回転を実現し、高出力を発生させることが出来ることだ。巷にあふれるレシプロエンジン(以下、レシプロ)はピストンの反復運動をクランクシャフトを通じて回転運動に換えており、構造上はロータリーに分がある。そのレシプロも設計によって高出力、高回転は可能だが構造の複雑さと個体容積の大きさはロータリーエンジンに比べて劣る。

単純な機構でコンパクトかつ高出力なロータリーにとって致命的な問題は燃費の悪さだ。吸排気ポート、ローター、シール類の部分改善よる燃費向上は限界に達していると思われ、これ以上の燃費向上は難しいとされたのだろうか。そもそもレシプロが4行程で運動するところ、ロータリーは3行程で済む。吸排気をほぼ同時に処理する構造ゆえレシプロより1行程早く運動を終えるのだ。その1行程分だけ回転をロスしていると思える。

生産中止の決定による開発チームの無念さは計り知れない。開発者の無念さ、読者の驚きが紙面を越えて伝わってきた。同時にドラッカーの言葉を思い出した。
ドラッカーの講演録を私的にメモした走り書きを参考までに掲載する。

「(前略)最後はイノベーションの仕事について。チャンスにつながる変化をどのように探すか、どのように改良するか、体系的に組織化する。開発、新しい市場の発見も必要。イノベーションの仕事には、1、チームワークの仕事がある。2、目的と目標の期限と責任者があるものということです。多様の人々の知識を集めたのは日本です。自らの製品を、市場の動向によってではなく、自らの手で陳腐化させる、新しいものを新たに出したのです。イノベーションをするのです。(後略)」

マツダにイノベーションが起きる事を切に期待し、いつの日かロータリーが再び生産されることを期待しながら新聞をおいた。ロータリーに魅せられた人々が完成させた車の動画がYouTubeにアップされていた。最後に紹介して今日の日記を終えたい。 http://www.youtube.com/watch?v=ex1pOrtSLNY

 

  
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