先日、弊社の相談役ブログに過去にあった厳しい会社の状況が紹介されておりました。http://www.makotoichi.com/blog/index.html
あの時、私は経理をしておりました。ですから金の流れもよく覚えております。銀行との交渉も覚えています。急成長をしていた矢先のシュリンクでしたから、増えた支出に対して収入が合わないという状態でした。【一旦増えた費用はそう簡単には下がらない】これは紛れもなく鉄則でした。この時に多くのつらい経験をしました。見返りにその時の経験は多くの教訓を授けてくれました。
あれから随分と時が経ちました。昨今の経済不況は対岸の火事ではありません。業界に強い風を吹きつけています。多くの企業が前年割れを記録しています。【疾風に勁草を知る】という言葉があります。強い風が吹いた時に本当に強い草だけが倒れないという意味だと思いますが、今の状況はまさにその言葉通りだと感じます。弱い・甘い企業は倒れることでしょう。
さて、年商目標と利益目標は変わりません。ただ世界は量より質を重んじる時代、今年は更に質を求める方向にシフトするでしょう。しかも急激なシフトです。ですから社内も「質」を高める必要があります。質を高めていれば年商や利益目標は達成されるものと信じております。昨今の大手企業の解雇は能力だけで判断されているとは到底思えません。社員のモラル度をはかり判断をされていると思います。モラルの高い人は能力も高いはずです。では社員さんに求められるモラルとはなんだろうか?経営側から言わせれば、通常役員がうける「善管義務」と「忠実義務」だと言えます。社長・会社(上司)に言えないような行動を慎むけじめとも言えます。もちろんそれらの責任が軽いのが社員でもありますが、これからの時代がそれを許さないでしょう。
私は営業も編集も実務はほとんど知らない人間です。出来ないのです。ですから現場実務は優秀な社員さんにお願いしております。私の役割は【経営】をすることです。とは言いましても、僅か4年の社長業です。まだまだ諸先輩方からすればハナタレ小僧です。よく日の浅い社長さんで講演をする人がいますが、内心「大口を叩いて大丈夫?数年で状況は変わるよ」と心配してしまいます。私のような人間にも講演のお話が時折きます。有難いことではありますが、人前で話す勇気がないこともあり、伏して「先代の経営を踏襲しただけです、語れるようなことは何もしておりません」と申し上げて断っております。
そんなハナタレ小僧ではありますが、あの時の厳しい経験は社内の誰にも負けない強みとなっております。あの時を知っている幹部も然りですね。