10年ほど前に名古屋の書店さんで修業をさせてもらいました。しかも当時の社長が中核メンバーである「経営指針書の勉強会」にも出させてもらいました。
この勉強会は合宿なども行われるのですが、参加した経営者は夜中も一心不乱にパソコンに向かい合い自分の経営指針書に魂を込めておりました。また指針書の発表会も行われます。その際に先輩経営者から「お前の指針書はうわべばかりで中身がない」「本当にそう思っているのか?心が伝わらない」「中期三年計画を作る以前の話。出直してこい!」など忌憚のない意見が会場でどんどん出てきます。会員さんによるこの会への別名は「傷口に塩を塗りこむ会」だそうです。
聴講生であった私でさえ「あわわ...」と会場を逃げ出したくなるような雰囲気の場面もありました。しかし若いうちからその姿を見ていてよかったです。経営指針書や中期経営計画書などを作成するのは一定の努力で出来るのでしょうが、魂を入れる作業が非常に大変であることを知ることができました。
さて弊社の経営理念です。
経営理念
「営々黙々、花が咲いても咲かぬでも」
社是
「出版は人や」
読者と取引先、社員とその家族の幸せの出版です
「出版は商売や」
お客様のお役に立てない商品は恥と考えます
「出版は人間だ」
人の悩みは様々、その欲求や夢や実用に叶う本作りを標榜します
創業者であり弊社相談役でもある石野誠一の作った言葉です。その相談役から「自分の気持ちを自分の言葉でそろそろ考えてみてはどうだ」と言われました。職人さんが丁稚に「おい、栄太郎!お前ちょっとやってみろい!」と試すようなものです。
創業より40年という長い時間を伴にした理念と社是を前に、寂しくもなり、恐れ多く足のすくむ思いもありつつ、自分の言葉での理念社是への重大な仕事に対し意気軒昂する自分もいます。
来年の第41期より新方針による運営を目指します。ということで一生懸命に入魂するためのベースを作成しておりますがこれが結構大変なのです(笑)。楽しいですけどね♪